2021/10/31 Others

大学生達が取り組んで制作した「多様性をテーマにした絵本」の制作支援を行いました。

私たちエムスタイルジャパン社は未来を担う学生様の為にも積極的にインターンを行っております。

そこでは、美巣の商品の事だけではなくて、私たちが昔から取り組んできた「SDGs」に関して学生の皆さんと一緒に考える時間を取っています。

そうしたご縁からも一部の学生の方の中から多様性というテーマの「みんながそれぞれ違っても良いという」観点から「マレーシアのアナツバメと日本のツバメとの違いを描いた絵本」を制作するまでの支援を行いました。

イラストや脚本はすべて学生の方達が制作して頂きました。

学生の方達が一生懸命に「SDGsの中の一つである多様性を世の中にもっと広めたい」と取り組んでくれまして、その内容をこちらの美巣のWEBサイト内でもすべて公開させて頂く事でも私たちも支援させて頂ければと思います。

下記のクラウドファウンディング内にて一般支援も募っておりまして、支援を頂けましたら順次、全国の学校や病院や幼稚園や保育園にも寄贈させて頂きます。
https://camp-fire.jp/projects/view/508288

絵本の内容を下記にて公開させて頂きますのでご覧ください。

あるところに迷子になった一羽のアナツバメがいました。
名前はパブロ。
パブロはとても弱気で、いつもお母さんと一緒にいました。
しかし、今はひとりぼっち。お母さんとはぐれてしまったのです。
パブロはどうしたら良いかわからず困っていました。

するとそこへ四羽のツバメたちがやってきました。
彼らはパブロを見つけると、不思議そうな顔をして近づいてきました。

「みない顔だな。おまえ、名前は?」
と一羽のツバメがパブロに聞いてきました。
「パブロ…。君たちはだれ??」
とパブロは恐る恐る聞き返しました。

「俺はロック。こっちはライトで、後ろにいるのが双子のリリーとメリーだ。」
「おまえはどこからきたんだ?」とロックは再びパブロに聞きます。

「マレーシア…。」
とパブロがいうと
「マレーシア?どこだろう。」
とライトは首を傾げました。
「…ここはどこ?」
とパブロが小さな声で聞くと
「ここは日本よ。」
と今度はリリーが教えてくれました。
「日本!?どこだろう・・・」
なんてことでしょう。
パブロはいつの間にか知らないところまで飛んできていたのです。

ロックたちの質問はまだまだ止まりません。
「僕たちと体の色も大きさも違うけど、巣の作り方も違うの?」
「えっと、僕たちは唾液で作っているよ。」
「えぇー!?」
ロックたちは目をまんまるにして驚きました。
パブロはそれが普通のことだと思っていたので、なぜ驚かれたのかわかりませんでした。
「日本では木の枝や泥を重ねて巣を作るんだよ。」
とライトが教えてくれました。
(僕だけ違うんだ…)
とパブロは心の中で呟きました。

「ちなみに、日本では人間のおうちや駅のホームに巣を作るんだけど、マレーシアではどこに作るの?」とメリーが聞きました。
パブロは聞かれたことに答えようとしますが、なぜか声が出ません。
(みんなと違うことが怖い。)
(どうして僕だけみんなと違うんだろう。)
(怖い…怖い…)

「ごめん!」

パブロはそう言って飛んで逃げてしまいました。
決して振り返ることなく、泣きながら飛び続けました。

夜になって辺りが真っ暗になった頃、パブロは工事現場の隅っこで休んでいました。
するとそこでペンキを見つけました。

(僕だけみんなと違うんだ。)
(せめて見た目だけでも日本のツバメたちと同じになればいいのかな。)
(そうだ、きっとそうだ…!)
そう自分に言い聞かせて、体にペンキを塗ろうとしたその時、

「そんなところで何をしているんだい?」
と突然上の方から声がしました。
上を見上げると、そこには大きな鳥がいました。

「あなたは誰?」
「私かい?私はジョーンズ。」
「世界中を旅する渡り鳥さ。」
「君はなんのためにペンキを持っているんだい?」
「このペンキを塗って、日本のツバメたちと同じ姿になろうと思ったんだ。」
「どうしてそんなことをするんだい?」
とジョーンズがきくと、パブロは小さな声で答えました。

「僕は日本のツバメたちより小さいし、体の色も、巣を作るところも、作り方も、みんなと違うんだ。」
「僕だけ、みんなと違うんだ…」
そう言って、パブロは泣き出してしまいました。
ジョーンズはそれを聞いてこう言いました。
「それは、君がまだこの世界をほんの少ししか知らないからだよ。」
「…少し?」
「あぁ、そうさ。」

「私は世界中を旅して、たくさんの動物たちをみてきたんだ。この世界には君よりも小さな動物もいるし、長い尻尾をもった動物や、空を飛ばない動物だっているんだよ。」
「そうなの?」
「そうさ。」
ジョーンズはパブロにたくさんの動物のことを教えてくれました。
「君のその体も、巣を作るところや作り方も、何もおかしくなんてないし、変える必要だってないんだよ。」

「この世界にはいろいろな動物がいて、みんながみんな違うんだ。」
「その違いのことを“個性”っていうんだよ。」
「個性は君にしか出せない君だけの色みたいなものさ。」
「こせい?僕だけの色?」
「そう。みんな違ってみんないい、みんな違うからみんないいんだよ。」
「ぼくはおかしくない?」
「ああ、おかしくなんてないとも。」
「みんな違うからこそ、みんなで助け合って、協力しあって生きていけばいいんだよ。」
「だから堂々としていなさい。君にしかない色だ、大事にしなさい。」

「わかった、ありがとうジョーンズさん。」
「どういたしまして。」
ジョーンズはパブロにマレーシアへの帰り方を教えたあと、パブロの頭を優しく撫でました。そして
「では、私はもう行くね。」
と言って飛び立っていきました。

パブロはジョーンズの姿が見えなくなるまでずっと空を眺めていました。
みんな違うから、みんないい。
僕もこのままで良いんだ。
僕には僕の良さ、僕にしかない僕だけの色があるんだ。
パブロは生まれて初めて、自分に自信がつきました。
そして次の日…

パブロはロックたちのところへ行きました。
「昨日は突然逃げ出しちゃってごめんね。」
「気にしないで、私たちも急にたくさん聞いちゃってごめんね。あなたのことを知りたかっただけなの。」
「よかったらまた今度日本を案内するよ!」
「うん、でもいいの?」
「当たり前だろ。俺たちみんな友達だ。なあみんな!」
「「うん!!!」」
みんな違うからみんないい。
みんな違うから、足りないところを補い合って、支え合っていけばいい。
その日、パブロは
ロックたちと、友達になることができました。

次の日、パブロはロックたちに見送られてマレーシアへと帰って行きました。
「また絶対会おうな!」
そう言ってロックたちはパブロの姿が見えなくなるまで手を振り続けました。

マレーシアに着くと、そこにはパブロの友達、そしてお母さんが待っていました。
「どこにいたの?ずっと探していたのよ。」
そう言ってお母さんはパブロを抱きしめました。
「日本という国に迷い込んじゃったんだ。」
パブロは日本で体験したことをみんなに話しました。
そしてマレーシアのツバメたちも日本のツバメたちとの違いを知ることができました。
また、その違いはおかしいことではないことも知ることができました。

「僕もジョーンズさんみたいに世界を旅したい。」
「いろいろなものを見て学んで、マレーシアのみんなに教えてあげたい。」
とパブロはお母さんに言いました。
「素敵な夢ね。」
お母さんはそう言ってパブロの頭を撫でるのでした。
パブロの冒険はまだまだ続きそうです。

おしまい