専門家が語るツバメの巣
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01 Special
Interview 九州大学教授 農学博士 片倉 喜範 -
02 Special
Interview 九州大学教授 農学博士 片倉 喜範 -
03 Special
Interview 広尾レディース~恵比寿本院~院長 宗田 聡
「お母さんの体の回復や美容面の回復だけでなく、赤ちゃんに対しても、いろんな可能性を秘めていると思います。」
Special Interview
やっぱり産後うつってすごく問題
僕の専門は産婦人科医です。中でも周産期(妊娠・出産・産後)医療を専門にしています。特にお腹の中の赤ちゃんの病気の診断や治療を専門にしています。
大学院時代は遺伝医学を専門として、P C R法などを使って遺伝子の研究をしておりました。
産婦人科医になって間もなく、一ヵ月検診でうつ傾向がある母親を多く見てきて、その理由がずっと気になっていました。30代になりボストンに遺伝医学の研究で留学をした際に、同じボストン市内にあるMG H(マサチューセッツ州総合病院)に「ウィメンズヘルス」と言って、女性のメンタルと体の両方を専門にする部門があったんです。偶然、そこの先生と知り合う機会があり、半年くらいその先生の研究室に出入りさせていただくうちに、「やっぱり産後うつってすごく問題だな」と思って、日本に帰ってきてからも関わるようになりました。当時は20年以上前なので、まだほとんど誰もやってなかった時代です。
体とメンタルは車の両輪。両方ケアが必要
産前産後ケアで大事なことは、体とメンタルのどちらともをケアするということです。
体とメンタルって分かれていなくて、車でいうとタイヤの両輪のようなものなんです。メンタルが不調だと体に不調が出てくるし、体が不調だとメンタルに不調が現れる。どっちがスタートでも両方が巻き込まれていきます。
両方をケアしていかないといけないし、どちらに原因があるのかを診ていかないといけない。
自然由来のアナツバメの巣で、修復力や免疫力の向上に
産後の母体はダンプカーにひかれたのと同じくらいのダメージを負っているとよく例えられます。皮膚や髪の毛をはじめ、身体全体がボロボロになってるんです。そんな中で、お母さんたちは子育てをしながら体力を回復して、免疫力を上げることが必要になってくる。
授乳していて薬をなかなか飲めない等の制限がある中で、自然由来のアナツバメの巣を摂ることで、修復力や免疫力の向上に繋がるのであれば、これはとても良いことだと思います。
それと、産後はすごく髪の毛が抜けることがあります。時間と共に自然と治まることではありますが、やはりお母さんにとっては精神的にダメージを受ける方も多いです。なので、発毛・育毛でも効果が期待出来るのは画期的だと思います。
胎児の発育や、免疫・病気の予防にも可能性が
シアル酸(アナツバメの巣に含まれている栄養素のひとつ)の持っている機能はもっと多岐にわたっていると思います。
研究をもっと進めて、免疫、アンチエイジング、育毛・発毛、それ以外の分野でももっと効能が明らかになって、活用出来ればいいですよね。
母乳の中にもシアル酸が入っていることから、胎児の発育や、赤ちゃんの免疫・病気の予防についても可能性があるかもしれない。
さらに、産後の母乳が出やすくなるとか。それから、産後の妊娠線の予防として妊娠中から積極的にとっていくことで、少しでも予防されるのであればいいですね。
お母さんの体の回復や美容面の回復だけでなく、赤ちゃんに対しても、いろんな可能性を秘めていると思います。今進められているシアル酸の多くの研究結果が、今後色々と明らかになっていくことが楽しみです。
Profile
・広尾レディース~恵比寿本院~院長
・茨城県立医療大学客員教授
・東京慈恵会医科大学産婦人科学非常勤講師
・筑波大学大学院非常勤講師
・首都大学東京健康福祉学部看護学科非常勤講師
資格・役職:
・医学博士
・日本産科婦人科学会認定医・指導医
・臨床遺伝専門医・指導医
・日本医師会認定産業医
・アメリカ人類遺伝学会(ACMG)上級会員(Fellow)
・FMF(Fetal Medicine Foundation)認定妊娠初期超音波検査者
・日本周産期メンタルヘルス学会評議員
・一般社団法人 聴診データ研究会理事
・日本産婦人科医会先天異常委員会委員
・日本医療機能評価機構 産科医療補償制度原因分析委員会委員
経歴:
・筑波大学卒業後、同大産婦人科医師
・1996年 筑波大学講師として臨床・研究・教育に従事
・1999年 文科省在外研究員としてTufts大学(ボストン)遺伝医学部門に派遣
・2004年 水戸済生会総合病院産婦人科部長・茨城県周産期センター長(筑波大学産婦人科臨床准教授兼任)
・2012年 医療法人HiROO理事長・広尾レディース~恵比寿本院~院長