• 01 Special
    Interview
    九州大学教授 農学博士 片倉 喜範
  • 02 Special
    Interview
    広尾レディース~恵比寿本院~院長 宗田 聡

Special Interview

アンチエイジング食品の創製に向けた研究を行っています

私の研究室では、アンチエイジング食品の創製に向けた食品機能学的な研究を行っています。例えばある食品を添加して、肌の免疫バランスを整える細胞の変化を調べたり、腸管細胞を介すとどうなるかを調べたりします。また、食品の創製だけでなく、アンチエイジング創薬への応用も研究分野です。

何か新しい機能性があるんだろうなと

本学の産学連携本部からの紹介がきっかけで、共同研究に取り組むことになりました。最初に代表の稲冨さんが研究室に来られて、事業やビジョンをお話されました。それで「なんか面白そうだな~!」と思いました。
あそこまで熱く自分の商品を語れる人ってあんまりいないと思うので、これだけ情熱をお持ちなら、何か新しい機能性があるんだろうなと期待しまして、私もそこにかけてみました。

ツバメの巣エキスは肌を改善する能力が高い

今までに取れたデータですと、ツバメの巣エキスは肌を改善する能力が高いということが言えると思います。また、それにつながるような形で、皮膚のバリア機能が上がることが期待されています。
特許出願中の案件なので詳細はまだお話しできないのですが、ある効能について、今回初めて試験をやってみたところ、その機能性の高さに本当にびっくりしました!ここまでの効能をもつ食品成分というのは、あんまり知られていないのではないかと思います。そういう意味で、一緒に試験に取り組んでいる学生さんを含め、驚きました。

「全身が活性化される」というのを夢見て実験していきたい

去年まではツバメの巣エキスを肌に塗ってどうなるか、という試験をしていました。今年は飲んだときにどうなるかという実験に取り組んでいて、飲んだだけで皮膚が改善する効果が得られそう、という結果が出てきています。
将来的には、食べることで皮膚に何か良い影響があるというだけでなく、例えば筋肉が活性化されるとか、筋肉が活性化した結果として脳機能が改善するとか、「ツバメの巣を食べることで全身が活性化される」というのを夢見て実験していきたいなと思っています。

Profile


片倉 喜範Yoshinori Katakura

大学院では生物資源環境科学府 生命機能科学専攻 システム生物工学講座 / システム生命科学府 システム生命科学専攻 生命工学大講座を担当。
学部では農学部 生物資源環境学科 応用生物科学を担当。

研究活動:
・アンチエイジング食品創製に向けた食品機能学的研究
・老化・寿命制御の分子基盤の解明とアンチエイジング創薬への応用
・テロメラーゼ転写制御機構の解明

「お母さんの体の回復や美容面の回復だけでなく、赤ちゃんに対しても、いろんな可能性を秘めていると思います。」

「お母さんの体の回復や美容面の回復だけでなく、赤ちゃんに対しても、いろんな可能性を秘めていると思います。」

Special Interview

やっぱり産後うつってすごく問題

僕の専門は産婦人科医です。中でも周産期(妊娠・出産・産後)医療を専門にしています。特にお腹の中の赤ちゃんの病気の診断や治療を専門にしています。
大学院時代は遺伝医学を専門として、P C R法などを使って遺伝子の研究をしておりました。
産婦人科医になって間もなく、一ヵ月検診でうつ傾向がある母親を多く見てきて、その理由がずっと気になっていました。30代になりボストンに遺伝医学の研究で留学をした際に、同じボストン市内にあるMG H(マサチューセッツ州総合病院)に「ウィメンズヘルス」と言って、女性のメンタルと体の両方を専門にする部門があったんです。偶然、そこの先生と知り合う機会があり、半年くらいその先生の研究室に出入りさせていただくうちに、「やっぱり産後うつってすごく問題だな」と思って、日本に帰ってきてからも関わるようになりました。当時は20年以上前なので、まだほとんど誰もやってなかった時代です。

体とメンタルは車の両輪。両方ケアが必要

産前産後ケアで大事なことは、体とメンタルのどちらともをケアするということです。
体とメンタルって分かれていなくて、車でいうとタイヤの両輪のようなものなんです。メンタルが不調だと体に不調が出てくるし、体が不調だとメンタルに不調が現れる。どっちがスタートでも両方が巻き込まれていきます。
両方をケアしていかないといけないし、どちらに原因があるのかを診ていかないといけない。

自然由来のアナツバメの巣で、修復力や免疫力の向上に

産後の母体はダンプカーにひかれたのと同じくらいのダメージを負っているとよく例えられます。皮膚や髪の毛をはじめ、身体全体がボロボロになってるんです。そんな中で、お母さんたちは子育てをしながら体力を回復して、免疫力を上げることが必要になってくる。
授乳していて薬をなかなか飲めない等の制限がある中で、自然由来のアナツバメの巣を摂ることで、修復力や免疫力の向上に繋がるのであれば、これはとても良いことだと思います。
それと、産後はすごく髪の毛が抜けることがあります。時間と共に自然と治まることではありますが、やはりお母さんにとっては精神的にダメージを受ける方も多いです。なので、発毛・育毛でも効果が期待出来るのは画期的だと思います。

胎児の発育や、免疫・病気の予防にも可能性が

シアル酸(アナツバメの巣に含まれている栄養素のひとつ)の持っている機能はもっと多岐にわたっていると思います。
研究をもっと進めて、免疫、アンチエイジング、育毛・発毛、それ以外の分野でももっと効能が明らかになって、活用出来ればいいですよね。
母乳の中にもシアル酸が入っていることから、胎児の発育や、赤ちゃんの免疫・病気の予防についても可能性があるかもしれない。
さらに、産後の母乳が出やすくなるとか。それから、産後の妊娠線の予防として妊娠中から積極的にとっていくことで、少しでも予防されるのであればいいですね。
お母さんの体の回復や美容面の回復だけでなく、赤ちゃんに対しても、いろんな可能性を秘めていると思います。今進められているシアル酸の多くの研究結果が、今後色々と明らかになっていくことが楽しみです。

Profile


宗田 聡Satoshi Sohda

・広尾レディース~恵比寿本院~院長
・茨城県立医療大学客員教授
・東京慈恵会医科大学産婦人科学非常勤講師
・筑波大学大学院非常勤講師
・首都大学東京健康福祉学部看護学科非常勤講師

資格・役職:
・医学博士
・日本産科婦人科学会認定医・指導医
・臨床遺伝専門医・指導医
・日本医師会認定産業医
・アメリカ人類遺伝学会(ACMG)上級会員(Fellow)
・FMF(Fetal Medicine Foundation)認定妊娠初期超音波検査者
・日本周産期メンタルヘルス学会評議員
・一般社団法人 聴診データ研究会理事
・日本産婦人科医会先天異常委員会委員
・日本医療機能評価機構 産科医療補償制度原因分析委員会委員

経歴:
・筑波大学卒業後、同大産婦人科医師
・1996年 筑波大学講師として臨床・研究・教育に従事
・1999年 文科省在外研究員としてTufts大学(ボストン)遺伝医学部門に派遣
・2004年 水戸済生会総合病院産婦人科部長・茨城県周産期センター長(筑波大学産婦人科臨床准教授兼任)
・2012年 医療法人HiROO理事長・広尾レディース~恵比寿本院~院長