免疫力を上げる食べ物とは?日頃の食生活から簡単に取り入れよう
体調を崩しやすくなったり、風邪をひきやすくなったりしている場合は、免疫力の低下が原因かもしれません。 免疫は、外部から侵入するウイルスなどの異物から体を守る役割を果たします。そのため、免疫力を上げることで、病気にかかりにくい体を目指すことができるのです。 免疫力を上げるコツにはさまざまなものがありますが、今回は、食べ物や食事のポイントについて解説します。
免疫力を上げる食べ物とは
まずは、免疫力を上げるためにおすすめの栄養素と食べ物を紹介します。自分に足りていない食材があれば、積極的に取り入れてみてください。
タンパク質を含む肉・魚・卵・乳製品など
タンパク質は、筋肉や血液を作るだけでなく、免疫細胞を形成するためにも必要な栄養素です。また、体を調整するホルモンや酵素の材料としても重要なものなので、不足しないように、毎日の食事でしっかり摂取しましょう。
タンパク質は、肉、魚介類、卵、牛乳などの動物性食品、大豆や豆腐などの植物性食品
に多く含まれており、これらをバランスよく摂るのがよいとされています。 具体的には、肉や魚、卵、豆腐などは1日の目安量として、両手に収まる程度の量が推奨されています。牛乳の場合は、コップ1杯が1日の目安となります。腸内環境を整える発酵食品
腸には多くの免疫細胞があり、外から侵入する細菌から体を守る働きがあります。そのため、善玉菌を増やし腸内環境を整えることは、免疫力を上げるのに効果的なのです。 発酵食品は、善玉菌を多く含んでおり、摂取することで、腸内の善玉菌を直接増やし、良好な腸環境をつくってくれます。 善玉菌を含む主な発酵食品は以下の通りです。
- 乳製品:ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料など
- 野菜類:キムチ、ぬか漬け、ピクルスなど
- 調味料:味噌、醤油、酢など
- 豆類:納豆、豆腐ようなど
腸内環境を整えるために、これらを毎食ごとに適度に摂ることが大切です。朝は味噌汁1杯、昼はヨーグルト1個など、できるところから取り入れていきましょう。
ビフィズス菌などのエサになるオリゴ糖
オリゴ糖はビフィズス菌のエサとなり、ビフィズス菌を増加させます。善玉菌の代表格ともいえるビフィズス菌が増えることで、腸内環境が整い、免疫力の向上が期待できるでしょう。 また、ビフィズス菌は腸内にある悪玉菌の働きを抑制する効果ももちます。悪玉菌をブロックすることで腸が活発に動くため、便通解消に効果的です。便通がよくないと腸内環境の悪化を招く恐れがあるので、悪玉菌を増やさないようにすることが大切です。 オリゴ糖が多く含まれる食品には、以下のようなものがあります。
- ごぼう
- たまねぎ
- とうもろこし
- にんにく
- 大豆
- バナナ
- はちみつ
- など
ただし、このような食材に含まれるオリゴ糖はごくわずかです。そのため、市販されているオリゴ糖食品を取り入れたほうが効率がよいでしょう。
食物繊維を含むキノコや海藻など
しいたけ、まいたけなどのキノコ類、わかめや昆布などの海藻類は、食物繊維を多く含み、善玉菌の栄養源となって、腸内環境を整える働きがあります。また、中でも海藻類は腸内で水分を多く含んで便を軟らかくし、排便を促す手助けも行います。便秘を防ぎ、腸内環境を整えることも、免疫力の向上につながります。 日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、食物繊維の1日あたりの目標量は、成人男性はおおむね21g以上、女性はおおむね18g以上とされています。
ビタミンを含む緑黄色野菜など
ビタミンには以下のような働きがあり、免疫力アップに役立つとされています。
- ビタミンA:のどや鼻の粘膜を健やかに保ち、体外からの細菌やウイルスの侵入を防ぐ
- にんじん、小松菜など
- ビタミンC:抗酸化作用によって活性酸素が増えるのを防ぐ、白血球の働きをサポートする、ウイルスの増殖をブロックする、タンパク質の生成を促すなどのはたらきによって、免疫力を上げる
- ピーマン、ブロッコリーなど
- ビタミンE:抗酸化作用により、活性酸素が増えるのを防ぎ、免疫力を上げる
- かぼちゃ、赤ピーマンなど
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、緑黄色野菜の1日あたりの目安摂取量は、120gです。食事の際は、種類の異なる緑黄色野菜をバランスよく取り入れるようにしましょう。
ポリフェノールを含む緑茶や赤ワインなどの飲み物や野菜など
ポリフェノールは、植物の色素や苦みのもとになる成分です。高い抗酸化力があることで知られており、細胞のダメージを与える有害な活性酸素を除去する働きがあるため、免疫力を上げることが期待できるとされています。 ポリフェノールを多く含む食べ物には次のようなものがあります。
- 緑茶
- 紅茶
- 赤ワイン
- チョコレート
- 玄米
- 生姜
- ブルーベリー
- なす
- など
ツバメの巣に含まれるシアル酸
シアル酸は、人間の細胞の表面にある情報伝達物質「糖鎖」を構成する成分です。ウイルスや細菌が体内に侵入すると、細胞表面のアンテナ(情報伝達物質)が免疫機能に攻撃を命じて健康を守っており、シアル酸がなければ糖鎖が十分に機能することは難しくなります。 また、シアル酸は、インフルエンザウイルスに結合して感染症を予防する働きがあることもわかっています。 シアル酸を多く含む食べ物には次のようなものがあります。
- ツバメの巣
- 牛乳
- 卵
- など
シアル酸の免疫力の詳細はこちら
バランスの取れた食生活を心がけよう
免疫力を上げるには、バランスの取れた食生活が大切です。厚生労働省によれば、1日の摂取栄養のうち、13~20%がたんぱく質、20~30%が脂質、50~65%が炭水化物となるのがバランスの良い理想の食事です。 健康に良いといわれるものだけを食べたり、ダイエット中だからといって極端に食事制限をしてしまうと、栄養バランスが乱れて免疫力が低下してしまいます。 たんぱく質が豊富な肉や魚、ビタミンやミネラルが豊富な緑黄色野菜、エネルギーの元になる炭水化物の米やパンをバランスよく摂って、体の内側から免疫力をサポートしましょう。
免疫力を上げるには腸内環境を整えよう
免疫力と腸内環境は密接な関係にあります。なぜ消化器官である腸が免疫力に関係するのか、くわしく見ていきましょう。
腸と免疫力の関係
腸内には免疫細胞が大量に存在しており、なんと体内に存在する免疫細胞のうち、約7割もが腸内に存在しているといわれます。 そして腸内の免疫細胞をはぐくむのは、腸内細菌です。つまり、腸内環境が整っていれば、免疫細胞が活発に働いて免疫機能を正常に保つことが可能なのです。
腸内フローラを育てることが大事
腸内フローラとは、腸内に存在する細菌の集まりのことです。腸内細菌には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類があり、それぞれが異なる役目を持っています。
- 善玉菌:消化吸収を助けて免疫力を上げる
- 悪玉菌:ガスなどの有毒物質を作り出す
- 日和見菌:善玉菌の味方になったり悪玉菌の味方になったりする
これらがバランスを取り合いながら活動していますが、腸内環境が乱れると悪玉菌が優位になって、免疫機能が正しく働かなくなってしまいます。したがって、免疫力を上げるには、腸内フローラを育てることが大事なのです。
免疫力を上げるために食事で簡単に
最後に、食事でひと工夫することで免疫力を上げられるポイントを紹介します。
朝食を食べる
朝食には、体内時計をリセットして、ホルモンの分泌や新陳代謝のリズムを整える効果があります。さらには、排便を促して腸内環境を整える効果も期待できるため、いままで朝食を抜いていた方は、朝食をしっかりと摂ることから始めてみましょう。
具沢山のお味噌汁で手軽に発酵食品と栄養バランスを
味噌は腸内環境を整えるのに役立つ発酵食品です。さらに水溶性食物繊維が豊富な海藻やきのこ、根菜、緑黄色野菜などを加えれば、手軽に栄養バランスを整えることができます。
海藻サラダや大麦ご飯で水溶性食物繊維を手軽に摂取
免疫力アップに、善玉菌の餌となる水溶性食物繊維は欠かせません。簡単に作れる海藻サラダや大麦ご飯などを取り入れて、たっぷりと水溶性食物繊維を摂りましょう。
ツバメの巣のサプリなどでより手軽に
ツバメの巣には免疫機能をサポートするシアル酸が豊富に含まれているという話をしましたが、ツバメの巣は、高級食材のうえに、調理にひと手間かかる食べ物です。 近ごろではツバメの巣由来のサプリメントも数多く市販されており、手軽にシアル酸を摂取できるようになっています。手軽に免疫力を上げたい方は、サプリメントを利用してみてもよいでしょう。
ツバメの巣サプリの詳細はこちら免疫力はバランスの良い食事を心がけよう!
免疫力のカギを握るのは、食べ物といっても過言ではありません。私たちの身の回りにある、発酵食品や水溶性食物繊維が豊富な食べ物などを毎日の食事に取り入れて、ぜひ風邪や病気に負けない健康づくりを目指してくださいね!