シミ予防におすすめな食べ物13選!栄養素についても解説

シミは、紫外線などの刺激によって、肌内部で「メラノサイト」という細胞が活性化し、メラニン色素が過剰に生成されることで発生します。
通常はターンオーバーにより排出されますが、加齢や生活習慣の乱れなどによって排出が滞ると、色素沈着となりシミにつながるのです。
シミ改善のためには、外側からのケアだけでなく、体の内側からのアプローチも欠かせません。
特に、毎日の食事において、美肌づくりをサポートする栄養素を意識的に取り入れることで、シミの予防や改善が期待できるでしょう。
本記事では、シミを解消するためにおすすめの栄養素と食べ物について詳しく解説します。
シミ改善によい栄養素
シミの改善や予防には、メラニンの生成を抑えたり、肌のターンオーバーを整えたりする栄養素を意識的に摂取することが大切です。
シミによい代表的な栄養素と期待される効果は以下の通り。
・ビタミンA:肌や粘膜の健康を保つ働きや抗酸化作用があり、紫外線によるダメージを軽減
・ビタミンC:抗酸化作用やメラニンの生成を抑える作用がある
・ビタミンE:抗酸化作用に優れるほか、肌の血行促進や老化予防にも役立つ
・ポリフェノール:植物に含まれる苦みや色素の成分。抗酸化作用によって酸化ストレスから肌を守る
・エラグ酸:ポリフェノールの一種。美白有効成分としても知られ、チロシナーゼ(メラニンの生成に関わる酵素)を抑制
・リコピン:植物に含まれる、赤や黄の色素成分。強い抗酸化作用があり、酸化ストレスから肌を守る
・アスタキサンチン:サケ、エビ、カニなどに含まれる赤い色素。強い抗酸化作用があり、紫外線によって生じる活性酸素に対抗
・Lシステイン:アミノ酸の一種。メラニンの生成抑制、排出促進のほか、ターンオーバーの正常化にもつながる。
こういった栄養素を意識して取り入れることで、内側からシミにアプローチすることができるでしょう。
シミ改善によい食べ物
ここからは、シミ改善に役立つおすすめの食材と、その働きを紹介します。
ツバメの巣
中華料理の食材として知られるツバメの巣には、生命維持に欠かせないシアル酸をはじめとする糖鎖栄養素や、ターンオーバーを整えるなどのはたらきがあるEGFなど、美容や健康によい様々な成分が含まれています。
もちろんシミ改善にも効果が期待でき、ある研究では、シミの元となるメラニンを約84%も抑制したという結果が。
メラニンを作り出すメラノサイトにまで作用し、シミを抑制するとされています。(※1)
さらに別の研究では、紫外線を照射した皮膚の細胞に、エキス化したツバメの巣と腸管細胞を培養してできた分泌物を加えて培養したところ、シミの原因となる活性酸素種が減少したという結果も出ています。(※2)
※1…Gallant Kar Lun Chan., et.al (2015).Edible Bird’s Nest, an Asian Health Food Supplement, Possesses Skin Lightening Activities: Identification of N-Acetylneuraminic Acid as Active Ingredient
※2…国立大学法人九州大学農学研究院、ツバメの巣研究所|ツバメの巣のアンチエイジング効果に関する共同研究
トマト
トマトには強い抗酸化作用を持つ「リコピン」が豊富に含まれており、紫外線によるダメージから皮膚を守る働きがあるとされています。
さらにリコピンは、シミの原因となるメラニンの生成を抑える作用も。
生でも摂取できますが、加熱することで吸収率が高まり、効率的に体内に取り込めるようになります。
ブロッコリー
ブロッコリーは「ビタミンC」を豊富に含むため、メラニンの生成抑制効果が期待できます。
また、抗酸化作用のある「スルフォラファン」も含まれており、紫外線による細胞ダメージから肌を守る働きがあります。
なお、ビタミンCは茹でると栄養素が流出しやすいため、蒸し調理や電子レンジ加熱がおすすめです。
カボチャ
カボチャには、「βカロテン」や「ビタミンC」、「ビタミンE」などの抗酸化ビタミンが豊富。
βカロテンは体内で「ビタミンA」に変換され、皮膚や粘膜の健康を保つほか、抗酸化作用によるメラニンの抑制にもつながるとされています。
さらに、ビタミンCもメラニンの生成抑制、ビタミンEは血行促進作用が期待できるなど、様々な角度からシミにアプローチできるでしょう。
ゴーヤ
ゴーヤはメラニンの生成や活性酸素を抑える「ビタミンC」を多く含み、このビタミンCは過熱しても壊れにくいという特徴があります。
さらに、ゴーヤ独特の苦味成分であるモモルデシンにも抗酸化作用があるとされていることから、積極的に取り入れたい野菜の一つといえるでしょう。
牛肉
牛肉には「L-システイン」が含まれており、肌のターンオーバーの正常化や、メラニンの生成抑制などによって、シミの改善が期待できます。
また、牛肉にはタンパク質や鉄分、亜鉛など、肌の健康に欠かせない栄養素も豊富に含まれているため、シミに限らず全般的な肌ケアに貢献してくれるでしょう。
ベリー系
ブルーベリーやラズベリーなどのベリー類には、「ビタミンC」のほか、「エラグ酸」や「ポリフェノール」が豊富に含まれています。
エラグ酸にはメラニンの生成を抑える働き、ポリフェノールには抗酸化作用があり、シミの発生や、紫外線による肌の老化を防ぐ効果が期待できます。
キウイ
キウイには、シミ対策に欠かせない「ビタミンC」がたっぷり含まれています。
さらに「ビタミンE」も含まれており、ビタミンCとの相乗効果で抗酸化作用が高まるのが特徴。
ビタミンEは、その抗酸化作用を発揮すると効力がなくなりますが、ビタミンCには、ビタミンEを再び活性化させる働きがあるためです。
パイナップル
パイナップルには「ビタミンC」が豊富かつ、「セラミド」も含有しています。
セラミドは、皮膚の最も外側である角質層にある保湿成分です。
せっかく美白ケアを頑張っても、肌が乾燥していては十分な効果が見込めません。
セラミドによって肌の水分を保ちながらバリア機能を高め、ビタミンCによってシミへのアプローチが期待できます。
サケ
サケには「アスタキサンチン」が多く含まれています。
前述の通り、アスタキサンチンは強力な抗酸化作用を持つ赤色の天然色素。
その作用は、ビタミンEやβカロテンよりも強いとされています。
玄米
玄米は白米に比べて「ビタミン」や「ミネラル」が豊富で、肌のターンオーバーの助けとなることが期待できます。
特にビタミンB群はターンオーバーを促し、古い角質やメラニンの排出をサポート。
また、玄米にはマグネシウムやカリウムなどのミネラルも含まれており、肌だけでなく身体の健康維持に必要な栄養素をまんべんなく補うことができる食材といえます。
そば
そばには抗酸化作用を持つ「ビタミンE」や「ルチン」が豊富に含まれており、血流促進やターンオーバーのサポート効果も期待できます。
さらに、メラニンの合成に関わる「チロシナーゼ」の活性を抑える「フェルラ酸」も含まれています。
発酵食品
腸内環境が乱れると肌トラブルを引き起こしやすくなり、シミの沈着リスクも上昇。
発酵食品には腸内環境を整える働きがあり、肌の調子にも好影響を与えると考えられます。
例えば、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌、納豆に含まれる納豆菌によって、腸内の善玉菌の増加が期待できます。
シミの原因になる食べ物
シミ対策では、肌によい食べ物を積極的に摂ることも大切ですが、逆に避けたい食べ物を知っておくことも重要です。
最後に、シミの原因になりやすい食べ物について詳しく解説します。
糖分が多い食べ物
お菓子や菓子パン、清涼飲料水などに多く含まれる糖分は、体内でタンパク質と結びついて「糖化」という現象を引き起こします。
糖化によって生成されるAGEs(最終糖化産物)は、肌細胞に沈着することでシミの原因になったり、肌の弾力を損なったりするなど、肌の老化の原因に。
特に菓子パンや清涼飲料水は、手軽に摂取できるため知らず知らずのうちに量が増えがちです。
糖分を完全に断つ必要はありませんが、頻度や量を意識して、肌にやさしい食生活を心がけましょう。
油が多い食べ物
スナック菓子や揚げ物などに含まれる油は、体内で「酸化」を促すリスクがあるといわれています。
体内に活性酸素が増えて酸化が起こると細胞がダメージを受け、これが進むとシミをはじめとする肌の老化を引き起こす原因に。
特に、マーガリンやショートニングを原材料に使用したお菓子や揚げ物などは、酸化を引き起こしやすい油(トランス脂肪酸など)を多く含み、体内に活性酸素を発生させやすいため注意が必要です。
食事を見直してシミ改善を目指そう!
シミの予防・改善には、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。
抗酸化作用がある栄養素など、シミによい栄養素を意識的に摂ることで、肌の内側からシミにアプローチできます。
なお、シミの大きな原因は紫外線なので、日焼け止めなどでの対策も同時に行うことが大切です。
シミ対策したい方は、食事とスキンケアの両面から取り組むとよいでしょう。