logo 疲労回復の方法とは?疲労の種類・症状とともに解説

夜早めに寝るなど生活に気を付けているつもりなのに、なかなか疲れが取れない……。

このようなとき、なぜ疲れが取れないのか、どうすればよいのかと悩むことでしょう。

そこで今回は、疲労回復の方法や、疲労の種類と原因などについて解説。

また、疲労回復効果が期待できるといわれるツバメの巣についても紹介します。

しっかり寝ても疲れが取れない方や疲労回復の方法を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

疲労回復のポイント

なかなか取れない疲れを取るには、どうすればよいのでしょうか。

まずは疲労回復のために心がけたい生活習慣や、医療機関の受診を検討すべきケースについて解説します。

しっかり休息をとる

まずはとにかく休むことが重要です。

休むことに罪悪感や抵抗があったり、家事や仕事に追われていてなかなか時間が確保できないこともあるかもしれません。

しかし、いろいろな方法を試しても、休息が足りていなければ疲労が蓄積していきます。

1日のなかでリラックスして過ごしたり趣味に没頭したりする時間を作る、思い切って家事や仕事を休むなど、体を休める時間を確保しましょう。

本当に疲れてるときは、できればお仕事も有給休暇を活用するなどして、長めに休むのがおすすめです。

質の高い十分な睡眠をとる

睡眠には脳や体を休ませる役割があるため、疲労回復には睡眠が欠かせません

ただし、ただ単に長く眠ればよいわけではなく、「質の高い睡眠」を十分に確保することが大切です。

睡眠の質を上げるには、生活習慣や睡眠前・睡眠時の環境を以下のように整える必要があります。

それほど難しい内容ではないので、できることから取り組んでみましょう。

  • ・起床後に朝日を浴び、メラトニン(睡眠・体温・ホルモン分泌の調節に関わるホルモン)の生成を促す

  • ・就寝時間の2時間くらい前から、スマートフォンなどのブルーライトを浴びないようにする

  • ・1日60分を目安に適度な運動を行う(ウォーキング、ジョギングなど)

  • ・就寝時間の3時間前くらいまでに夕食を済ませる

  • ・就寝時間の2時間くらい前に、38℃前後のぬるめのお湯に浸かって体を温める など

規則正しい生活を心がける

生活のリズムが不規則だと、自律神経が乱れたり睡眠の質が落ちたりしやすくなります。

自律神経の乱れや睡眠の質の低下は、体のだるさや疲労感などの問題を引き起こすことがあるため、できるだけ毎日同じ時間に起床・就寝したり、食事を摂ったりするようにしましょう。

湯船に浸かる

毎日の入浴をシャワーで済ませる方も多いと思いますが、疲労回復のためにはしっかりと湯船につかることも大切です。

湯船に浸かって体が温まると、血管が拡張されて血行がよくなります

また、体に水圧がかかってリンパの流れも促進されるため、体内に溜まっている疲労物質が分解・代謝されやすくなり、疲れが取れやすくなるのです。

さらに、入浴によって上がった体温が手足から徐々に放出されていくと、深部体温が下がります。

深部体温とは、脳や内臓など体の中心部の温度のこと。

人間の体は深部体温が下がると眠気が強くなるため、寝つきがよくなり睡眠の質が向上する効果も期待できます。

適度な運動を行う

軽いストレッチやウォーキングなど、適度な運動をするのも疲労回復に有効です。

「運動をすると余計に疲れそう」と思うかもしれません。

たしかに強度が高い運動をすると疲労感が増しますが、軽い運動は血行を促進させ、体内に溜まった疲労物質を分解・促進させるため、疲労回復に役立ちます。

入浴後や就寝前にストレッチを行うと、体がリラックスして睡眠の質も上がりやすくなるので、毎日実践してみましょう。

食生活を見直す

疲労回復には食生活も関わってきます。

栄養が不足すると、体が活動するためのエネルギーが生み出せなくなるためです。

そのため、1日3食、栄養バランスが取れた食事を規則正しくとりましょう

ダイエットのために糖質制限をしている方もいると思いますが、糖質が不足するとエネルギーが不足しやすくなります。

糖質の摂り過ぎは避けるべきですが、カットしすぎもよくないので適度に摂取することが大切です。

また、体をつくるのに必要なタンパク質、熱やエネルギーを生み出す脂質、三大栄養素の分解をサポートするビタミン・ミネラルなども欠かせません。

特に、炭水化物(糖質)を代謝するビタミンB1はとても大事です。

疲れると消費も多くなるので積極的に摂取しましょう。

ただし、ビタミンB1を単体で摂るのではなく、B2、B6、B12などのほかのビタミンB群も一緒に摂ることをおすすめします。

ビタミンB群は単体では効果が出にくく、複数摂取することでお互いの働きを高めるためです。

疲れているときに摂りたい栄養素と、多く含まれている食品を下記の表で紹介しますので、参考にしてください。

 栄養素・成分

 はたらき

 多く含まれている食品

 糖質

 エネルギー源となる

 ・ご飯
 ・パン
 ・麺類
 ・果物

 タンパク質

 体をつくる

 ・肉類
 ・魚介類
 ・卵
 ・牛乳
 ・大豆

 脂質

 熱やエネルギーを生み出す

 ・肉類
 ・卵
 ・乳製品
 ・ナッツ

 ビタミンB1

 糖質をエネルギーに変えるサポート

 ・豚肉
 ・赤身肉
 ・大豆
 ・カリフラワー

 ビタミンB2

 脂質をエネルギーに変えるサポート

 ・レバー
 ・卵
 ・牛乳
 ・チーズ

 ビタミンB5(パントテン酸)

 糖質・タンパク質・脂質の代謝をサポート

 ・鶏レバー
 ・ささみ
 ・卵
 ・牛乳
 ・たらこ

 ビタミンB6

 タンパク質の合成をサポート

 ・ヒレ肉
 ・ささみ
 ・バナナ
 ・玄米
 ・パプリカ

 ビタミンB12

 タンパク質の代謝をサポート

 ・レバー
 ・さんま
 ・いわし
 ・しじみ
 ・あさり

 鉄分

 全身に酸素を運ぶ

 ・レバー
 ・牛肉
 ・ほうれん草
 ・海藻

 カルシウム

 歯や骨を作る

 ・牛乳
 ・チーズ
 ・小魚
 ・大豆
 ・海藻

 アミノ酸

 体を作る・守る・調子を整える

 ・するめ
 ・パルメザンチーズ
 ・きなこ
 ・しらす干し

医療機関で受診したほうがよいケースも

以下のような疾患によって疲労を感じることがあります。

・貧血
・更年期障害
・心臓・肝臓・腎臓などの機能低下

など

疲労によって脳血管疾患や心臓疾患、精神障害などにつながることもあるため、甘く見てはいけません。

そのため、疲れ以外にも以下のような症状がある場合は受診を検討したほうがよいでしょう。

・発熱がある
・顔色が悪い
・尿や便に異常がある
・体重が減っている
・咳や痰が出る
・息切れする
・むくみがある
・眠れない
・意欲が低下している

そもそも疲労ってどんな状態?

ここまで疲労回復の方法について解説してきましたが、そもそも疲労とはどんな状態なのでしょうか?

日本疲労学会によると「過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義されています。

疲労の症状

疲労は、症状と部位によって2つに分類することが可能。

全身が重だるい、倦怠感があるなどの「全身疲労」と、目や手足など、体の一部に疲労を感じる「局所疲労」です。

代表的な症状には以下のようなものがあります。

・肩こり、首こり
・腰痛
・筋肉痛
・頭痛
・目のかすみ、痛み
・思考力、集中力、注意力の低下
・行動力の低下
・反応の低下
(さまざまな刺激に対する反応や感覚が鈍感になる)

疲労の種類

疲労の原因によって、末梢性疲労と中枢性疲労に分類することもできます。

末梢性疲労:骨格筋(骨と骨をつなぎ、体を動かす筋肉)に疲労物質がたまって生じる。血流悪化や、筋肉への神経伝達の遅れが生じることで疲れを感じるようになる。

中枢性疲労:脳内で生じる疲労。精神的なストレスが大きくなると、末梢性疲労のような状況が脳内で生じ、脳細胞がダメージを受けることで疲れを感じるようになる。

なお、中枢性疲労を感じるようなシチュエーションでは、同じ姿勢が長時間続いたり、目を使ったりしていることも多いため、末梢性疲労(肉体疲労)も同時に感じている場合があります。

慢性疲労に注意!

長期間疲労感やだるさが続いていて、いろいろ試しても回復しない場合は「慢性疲労症候群」を発症しているかもしれません。

慢性疲労症候群とは、日常生活に支障が出るほどの疲労感や全身倦怠感が6ヶ月以上継続している状態です。

発熱や喉の痛み、頭痛、関節痛、睡眠障害などの症状が出る場合もあります。

慢性疲労症候群を発症する原因は明確になっていませんが、免疫異常や感染症が関係していると考えられており、休息を取る、運動するなどの対処法では回復が困難です。

治療法も確立していませんが、大量のビタミンCを投与する抗酸化療法や向精神薬の服用、認知行動療法などが検討されます。

ただの疲れとは異なり自力での対処は難しいため、長期間疲労感が続いており生活に悪影響が出ている場合は、医療機関の受診を検討しましょう

疲労回復効果も期待できる?「ツバメの巣」とは

中国では、高級食材のひとつとして知られる「ツバメの巣」に老化防止や美肌効果、疲労回復効果などがあると信じられてきました。

漢方では燕窩(えんか)と呼ばれており、疲労回復に有効だと考えられています。

ツバメの巣は、シアル酸や糖鎖栄養素などを豊富に含んでいるのが特徴です。

・シアル酸:細胞間の情報伝達や接着、細胞の品質管理などにかかわる物質
・糖鎖栄養素:細胞をつなげて体のバランスを取る物質

そのため、ツバメの巣を食べると、体の調子を整える、細胞の健康を維持するといった効果が期待できるといわれています。

食材としてのツバメの巣は高額で入手が難しいですが、ツバメの巣サプリメントなども存在するので、疲れが気になるときは取り入れてみてはいかがでしょうか。

ツバメの巣については、以下の記事もご覧ください。
ツバメの巣に期待できる効果とは?「効果なし」といわれる理由も解説

疲労回復のためにできることから取り組もう!

骨格筋に疲労物質が溜まったり、精神的ストレスが大きくなったりすると、疲労が蓄積しやすくなります。

疲労回復の方法は、十分な休息を取ることや規則正しい生活を送ることなど、それほど難しいものではありません。できることから取り組みましょう。

疲労回復を含む健康維持に効果が期待できる、ツバメの巣を取り入れるのもおすすめです。

いろいろ試しても疲労が回復しない場合は、貧血や更年期障害、慢性疲労症候群などの可能性も考えられます。

長期間疲れが取れず、日常生活に悪影響が出ている場合は、医療機関の受診を検討しましょう。

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