logo 母乳にいい食べ物や栄養素とは?食事のポイントを解説

「母乳にいい食事を摂りたいけど、どんな食生活が理想的なんだろう」とお悩みではありませんか?

良質な母乳を作るためにも、ママが口にする食べ物を意識することが大切。

母乳に含まれる栄養素や母乳の質を高める食品を知り、母乳に必要な栄養をしっかりと摂取しましょう。

本記事では、授乳期における食事のポイントを解説します。

母乳に含まれる栄養素

まずは母乳に含まれる栄養素についてです。

母乳には以下のような栄養素が含まれています。

・たんぱく質
・脂質
・炭水化物
・ナトリウム
・カリウム
・カルシウム
・マグネシウム
・リン
・亜鉛
・銅
・セレン
・ビタミンA
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ナイアシン(ビタミンB3)
・パントテン酸(ビタミンB5)
・ビオチン(ビタミンB7)
・ビタミンC
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK

また、注目したいのが、母乳にはIgAやIgGと呼ばれる抗体が含まれていることです。

IgAは赤ちゃんの免疫に不可欠な働きをしており、喉や気管支、消化管、尿路などの粘膜で異物の侵入を防ぎます。

IgGはウイルスなどを無毒化する抗体で、生後100日程度まで赤ちゃんをウイルスや細菌から守ります。

母乳の質を高める食べ物・栄養素

​​赤ちゃんに良質な栄養を届けるためにも、食生活にも気を配ることが大切。

母乳にいい食べ物を積極的に摂りましょう。

ここでは、母乳の質を高める食べ物や栄養素、それぞれのはたらきなどを解説します。

鉄分

母乳は血液から作られるため、十分な母乳をつくるためにも貧血予防のためにも、鉄分は積極的に補うことが重要です。

鉄分は牡蠣や牛レバーなどに多く含まれているほか、牛肉やイワシ、マグロ、卵などからも摂取可能。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、成人女性の1日の摂取推奨量は、6.0mg(生理がない場合)。

さらに、授乳中は1日あたり2.0mgプラスで摂取することが推奨されています。

また、摂取する際は、ビタミンCや酸味のあるものなどと一緒に摂ると、吸収率アップが期待できます。

カルシウム

授乳期は赤ちゃんのために大量のカルシウムが母乳へと移行するため、ママはカルシウム不足に陥りやすいです

また、カルシウム不足により骨密度の低下リスクも高まり、妊娠後骨粗鬆症の予備軍になる恐れもあります。

カルシウムは牛乳やヨーグルト、小松菜、ししゃもなどから摂取可能です。

授乳期も一般的な成人女性と同様で、1日あたりの推奨摂取量は650mg程度とされています。

たんぱく質

たんぱく質は赤ちゃんだけでなく、育児で体力的にも負担がかかるママにも欠かせません。

授乳頻度が高くたんぱく質が不足すると体力回復に時間がかかるので、疲労緩和のためにも積極的に補いたい栄養素です。

たんぱく質は、肉類や魚介類、卵類、大豆製品、乳製品などから摂取できます。

1日あたりの必要量は体重1kgあたり0.73gが目安とされており、授乳時は追加で20gの摂取が推奨されています。

ビタミンA

ビタミンAは皮膚や粘膜の維持を助ける栄養素であり、赤ちゃんの成長にもかかわります

不足すると赤ちゃんの角膜乾燥症発症リスクも高まるため、注意が必要。

ビタミンAはレバーや卵黄、にんじん、うなぎなどに多く含まれています。

ビタミンB群

ビタミンB群は、エネルギーの代謝に不可欠な栄養素です。

赤ちゃんの成長や発育にかかわるだけでなく、産後疲れの軽減にも役立ちます。

ビタミンB1が多く含まれているのは豚肉や豆類ビタミンB2はサンマやブリビタミンB6はカツオやアジビタミンB12はシジミやアサリなど

各ビタミンにおける1日あたりの推奨摂取量と授乳時の推奨摂取量は以下のとおりです。


ビタミン


成人女性の推奨摂取量


授乳時の推奨摂取量


ビタミンB1


0.8〜0.9mg


+0.2mg


ビタミンB2


1.2mg


+0.6mg


ビタミンB6


1.2mg


+0.3mg


ビタミンB12


4.0μg


+4.0μg

なお、水溶性ビタミンであるビタミンB群は尿として排出されるため、体内にたまりにくいといえます。

こまめに摂取し、不足しないように心がけましょう。

葉酸

葉酸はビタミンB群の一種で代謝に関わり、造血機能を維持する働きがあります。

母乳は血液から作られるため、授乳期において重要な栄養素です。

また、産後の回復にも必要

葉酸はほうれん草やブロッコリー、モロヘイヤ、いちごなどに多く含まれています。

熱に弱いため、加熱せずに食べるのがおすすめ。

成人女性の1日の推奨摂取量は240μgですが、妊娠中は100μg追加した340μgの摂取が推奨されています。

ビタミンC

母乳にはビタミンCも多く含まれており、授乳時はいつもよりも多く摂取する必要があります

成人女性は1日あたり100mgの摂取が推奨されていますが、授乳中は45mgを追加した145mgの摂取が推奨されています。

ピーマンやブロッコリー、アセロラ、キウイフルーツなどに多く含まれているため、日頃の食事で摂取を心がけましょう。

その他

ここまで解説した食品以外にも、母乳にいい食べ物があります。

意識して摂取したい食品や栄養素をさらに見ていきましょう。

厚生労働省が示す栄養素

授乳期は亜鉛や銅、セレン、モリブデンなども普段より多めの摂取が推奨されています

それぞれを多く含む食品や、1日あたりの推奨摂取量は以下のとおりです。


栄養素


多く含む食品の例


成人女性の推奨摂取量


授乳時の推奨摂取量


亜鉛


牡蠣、豚レバー、牛肉(赤身)、カシューナッツ


7.5~8mg


+3.0mg





牡蠣、するめ、レバー、大豆


0.7mg


+0.6mg


セレン


マグロ、イワシ、たらこ、タラ、かつお節


25μg


+20μg


モリブデン


糸引き納豆、焼き海苔、ケール青汁、脱脂粉乳


25μg


+3.5μg

根菜

根菜は母乳の分泌を促進する食品とされています。

特に、ごぼうやレンコン、大根、にじんなどは積極的に摂りたい食品です。

また、ごぼうの果実であるゴボウシは消炎効果が期待でき、乳腺炎の予防にも使われています。

海藻類

海藻類には鉄分が豊富に含まれています

鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収アップが期待できるため、海藻類を摂るときも意識してみてください。

青菜

ほうれん草や小松菜などの青菜も鉄分を多く含んでいます

海藻類と同様に母乳にいい食べ物なので、積極的に補いましょう。

ツバメの巣

ツバメの巣も母乳にいい食べ物とされています。

ツバメの巣に含まれるシアル酸は母乳にも含まれている成分であり、赤ちゃん脳や免疫機能の発達をサポートするという報告があります。

赤ちゃんを細菌や毒素、ウイルスから守り、健やかに保つ栄養素といえるでしょう。

妊娠中の感染対策が気になる方にもおすすめです。

授乳期に避けたい食べ物

母乳にいい食べ物だけでなく、授乳期は摂取を避けたほうがいい食品もあります。

ここからは、注意したい食べ物を見ていきましょう。

脂質・糖分・塩分の多い食べ物

授乳中は母親が摂る食事内容が、母乳の質に影響を与えます。

脂質や糖分を多く含むケーキやアイスクリームなどのスイーツ、塩分の多いファーストフードやスナック菓子などは特に注意が必要です。

おやつに食べる程度なら基本的に問題ありませんが、1つの食べ物ばかりを選ぶと栄養バランスが偏り、たんぱく質やミネラル、ビタミンが不足しやすくなります

また、キムチのように塩分の多い食品は、高血圧や胃の不調などの原因になることがあるため、授乳中は少量に抑えましょう。

冷えやすい食べ物

ママの体が冷えると血液の循環が悪くなり、母乳の出方や味に悪影響を与える恐れがあります

そのため、アイスクリームや冷たいジュースなど、体が冷えやすくなる食べ物は控えたほうがよいでしょう。

刺激の強い食べ物

授乳中にわさびやカレーなど刺激の強いもの、香辛料が使われているものを食べても、母乳に影響することはないと考えられています。

しかし、胃の不調など、ママの健康に影響することがあるため、過度な摂取は控えましょう

ヨウ素を多く含むもの

ヨウ素は体内で甲状腺ホルモンを分泌するために不可欠です。

しかし、摂取量が過剰になると、赤ちゃんの甲状腺機能が低下するという報告も。

摂取量の目安としては、ヨウ素が多く含まれる昆布だしの場合、汁椀で1日1杯程度とされています。

カフェインが多い食べ物・飲み物

カフェインを過剰摂取すると、不眠症や頭痛、イライラ感、脱水症、緊張感などを引き起こす恐れがあります。

母乳にもカフェインが移行し、赤ちゃんにカフェインの影響が出ることもあるためご注意ください。

授乳中はカフェインの影響がより大きくなるため、コーヒーの場合は最大でも1日あたり300mg(マグカップ約2杯程度)までに留めましょう。

なお、カフェインは紅茶や緑茶、コーラなどの清涼飲料水、エナジードリンクなどにも含まれています。

お酒

授乳中に飲酒をすると、母乳を作るホルモンが分泌されにくくなり、母乳の量が減る恐れがあります。

さらに、母乳を介して赤ちゃんにアルコールが移行することもあるため、できるだけ控えましょう。

もし飲酒してしまった場合は、少なくとも2時間以上あけてから授乳するとよいとされています。

授乳期における食事のポイント

授乳期に気をつけたい食事のポイントを以下にまとめます。

普段よりもカロリーは少し多めにする

授乳期はママの活動だけでなく、母乳を作るためのエネルギーも欠かせません。

そのため、食事によるカロリー摂取の増加が推奨されており、授乳期は普段よりも1日あたり350kcal増やす必要があります

栄養バランスのよい食事を心がける

授乳中のママが摂る食事は、赤ちゃんの栄養状態にも影響を与えます。

主食として炭水化物、主菜として肉・魚・大豆製品などのたんぱく質、副菜として野菜を中心にビタミン・食物繊維・ミネラルなどをバランスよく摂取しましょう。

水分をしっかりとる

母乳育児をしているママは、授乳のために多くの水分が必要。

しかし、一度にたくさん飲んでも必要量を超えた場合は尿や汗として排出されるため、コップ1杯程度の水分をこまめに摂取しましょう

体を冷やさないように、温かいものを飲むのがおすすめです。

おやつは栄養素をしっかり摂れるものにする

授乳期はエネルギーを必要とするため、おやつの摂取は問題ありません。

しかし、スナック菓子や糖分が多いものは母乳の質を下げてしまうため避けたほうがよいでしょう。

腹持ちがよくビタミンやミネラルを豊富に含むナッツ、食物繊維やビタミンが摂れるフルーツ、たんぱく質を補える乳製品など、栄養バランスを整えられるものがおすすめです。

産後・授乳期の食事の重要性

産後や授乳期のママは、体力が低下している状態です。

さらに、自らの血液をもとに母乳を作って頻回に授乳するため、体への負担は大きくなります。

体力を回復させるうえで食事はとても重要

また、授乳によって鉄分が不足すると、貧血の原因にもなります。

ホルモンバランスの変化により抜け毛が起こるママも多く、全身に栄養を行き渡らせるためにもバランスのよい食事が欠かせません

良質な食事は母乳の分泌や出方にも影響するため、ママだけでなく赤ちゃんの健康にも重要です。

ママと赤ちゃんどちらも十分に栄養を補えるように、普段以上にたっぷりと栄養を摂りましょう。

食生活を見直してスムーズな母乳育児を目指そう


元気な赤ちゃんを育てるためにも、母乳育児中はバランスのよい食生活を送ることが大切です。

赤ちゃんに栄養をしっかり届けられるように普段よりもカロリーを多めに摂り、母乳にいい食べ物を選ぶように心がけましょう。

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