logo シアル酸は免疫や細胞に関与する重要成分!どんな成分なのかを詳しく解説

高級食材ツバメの巣に含まれ、美容や健康効果が注目されているシアル酸。しかしあまり見ない成分なので、どんな成分なのか分からないですよね。本記事では、シアル酸という成分について解説します。

シアル酸は免疫や細胞に関与する重要成分

目にする機会が少ないシアル酸ですが、実は免疫や細胞の働きに深く関与する重要な成分です。まずは、シアル酸とはどのような成分なのか、免疫や細胞の働きにどう関わっているのかについて見ていきましょう。

シアル酸は糖鎖を構成する成分の一種

シアル酸は「糖鎖」と呼ばれる成分の一種です。糖鎖とは、単糖(炭水化物の最小単位)が鎖状につながった物質のことをいいます。

糖鎖の多くは体内の脂質やたんぱく質と結合し、糖脂質や糖たんぱく質として細胞膜上に存在しており、細胞内外の情報伝達や物質のやり取りに関わっています。 そのため、生物の生命活動に重要な物質であるRNA・DNA(ヌクレオチド)やたんぱく質(ペプチド)に次ぐ、「第三の生命鎖」と称されています。

シアル酸に含まれる成分

「シアル酸」は、ノイラミン酸誘導体(炭素原子9個で分子内にアミノ基とカルボン酸をもつ物質)の総称です。多くの生物がもつ成分であり、シアル酸に分類されるものは50種類以上あります。

たとえば人間がもつ主なシアル酸は、グルコースからいくつかの段階を経て生成される「N-アセチルノイラミン酸(NANA)」です。

また、豚などの哺乳類がもつ「N-グリコリルノイラミン酸」が微量に存在することもありますが、正常組織で存在するものではないため、免疫機能では異物扱いされます。

シアル酸はウイルス感染や細胞に密接に関わる成分

シアル酸は細胞を覆う糖鎖の末端に存在し、細胞が増殖・分化するための情報のやり取りや、サイトカイン(免疫細胞が分泌する情報伝達のためのたんぱく質)の取り込み、免疫の活性化などの役割を担っています。

その一方で、シアル酸は細菌・ウイルス感染にも深く関わっています。人間をはじめとした多くの生物がシアル酸をもつことから、細菌やウイルスがシアル酸を利用する能力を進化させたためです。

たとえばインフルエンザウイルスは、細胞の表面に存在するシアル酸を狙って感染し、感染後はシアル酸を切り離して出芽(細胞にある突起が育って新たな個体になること)することがわかっています。

ちなみにインフルエンザウイルスは、シアル酸を切り離すときにノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)という酵素を使います。そのため、インフルエンザ治療の際には、タミフルやリレンザなどのNA阻害剤(ノイラミニダーゼ阻害剤)を投与し、ノイラミニダーゼの働きを妨げるのです。

NA阻害剤は、インフルエンザウイルスが狙うシアル酸の構造をもとに作られており、シアル酸のかわりにノイラミニダーゼが作用する箇所を占拠します。その結果、ノイラミニダーゼが作用できなくなり、インフルエンザウイルスの増殖が抑えられます。

シアル酸は唾液や母乳、ツバメの巣などに含まれる成分

生物の生命活動に欠かせないシアル酸が多く含まれるのは、細胞膜や唾液、母乳などです。シアル酸を多く含むものや食品について、下記にてくわしく解説します。

ヒトの細胞膜や唾液、母乳などにシアル酸が存在する

細胞同士の情報伝達や免疫の活性化などに密接に関わるシアル酸は、人間の体全体に存在しますが、とくに脳や神経、血管などの細胞膜や、唾液、母乳などに多く含まれています。

体内のシアル酸の量は乳児期に増えることがわかっており、器官や機能の成長にもシアル酸が必要だと考えられています。実際に、シアル酸を含む糖脂質の一種であるガングリオシドを強化したミルクを乳児に飲ませる実験では、6か月時点の乳児の認知機能が発達したとの研究結果もあるのです。

また、母乳に含まれるシアル酸は、乳児の口内や喉、消化管などに細菌やウイルスなどの外敵が付着するのを予防して、乳児を守る役割があると予想されています。母乳のなかでも新生児が口にする初乳がもっともシアル酸の含有量が高く、その後徐々に減っていくのはこのためだと考えられています。

ツバメの巣に含まれるシアル酸はローヤルゼリーの200倍

【シアル酸が含まれる代表的な食品】

食品名 シアル酸含有量(100gあたり)
ツバメの巣 約10,000mg
ローヤルゼリー 約50mg
約50mg
牛乳 約20.6mg

成人の場合、1日あたり140mg程度を目安に、シアル酸を摂取する必要があるとされています。しかし、シアル酸は卵のカラザや牛乳などに含まれているものの、含有量が少なめです。

また、健康食品として有名なローヤルゼリーにも、100gあたり50mg程度しかシアル酸が含まれておらず、通常の食事で十分な量を摂取するのは難しいといわれています。

しかし、ツバメの巣にはローヤルゼリーの約200倍の量にあたる、10,000mgものシアル酸が含まれているのです。

参照 https://cart.bi-su.jp/beauty_ingredients.html

そのため、日々の食事にツバメの巣を取り入れると、十分な量のシアル酸が摂取できるようになるでしょう。

といっても、高級素材であるツバメの巣を毎日食べるのは現実的ではないため、サプリメントやドリンク、ゼリーなどで取り入れるのがおすすめです。

野菜や植物には存在しない

シアル酸を野菜などの植物由来成分で取り入れたいと思う人もいるかもしれません。しかし、2023年時点で野菜や植物からはシアル酸が見つかっておらず、植物由来のシアル酸は存在しないと考えられています。

シアル酸は唾液や母乳に含まれる成分で免疫や細胞に関与する

シアル酸は、細胞の表面を覆う糖鎖を構成するものであり、細胞の増殖・分化や免疫などに深く関わっています。また、唾液や母乳にも多く含まれており、乳児の器官・機能の成長や病気の予防にも役立っていると考えられています。

シアル酸の必要な摂取量は、成人で1日あたり140mg程度とされていますが、シアル酸を多量に含む食品は少なく、通常の食事ではなかなか必要量を摂取できません。

しかし、ツバメの巣には、ローヤルゼリーの約200倍にあたる量のシアル酸が含まれています。シアル酸を積極的に摂取したいなら、サプリメントなどを活用して、ツバメの巣を取り入れてみるとよいでしょう。

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