産後ホルモンバランスの乱れはいつまで続く?メンタルが不安定でイライラする期間について
産後はホルモンバランスが乱れ、メンタルが不安定でイライラしやすくなります。産後の変化だと分かっていても、不快感が強いですよね。そこで本記事では、産後ホルモンバランスの乱れがいつまで続くのかについて解説します。
産後のホルモンバランスの乱れによる症状が続く期間には個人差がある
産後のホルモンバランスの乱れや、それによるさまざまな症状が続く期間には個人差があります。そのため期間をはっきりお伝えすることはできませんが、早ければ産後1~3ヶ月ほどで落ち着くとされています。一方で、半年以上続く方もいます。詳しく見ていきましょう。
早ければ産後1〜3ヶ月で落ち着く
産後のホルモンバランスの乱れによるイライラなどの症状は、早ければ産後1~3ヶ月で落ち着くとされています。
お子さんが1人目の場合、この時期は子育てにも不慣れでお母さんは大変な時期でしょう。赤ちゃんは昼も夜もなく起きたり泣いたりして目が離せませんし、頻回授乳が必要なので、睡眠が十分に取れず、生活リズムもバラバラというお母さんも多いはず。
赤ちゃんが夜まとめて寝るようになるのはだいたい生後4ヶ月頃からと言われているので、3ヶ月頃までは、生活リズムもホルモンバランスも整わず、苦労が多い時期だと言えます。
ホルモンバランスの乱れやマイナートラブルは、産後半年以上続くことがある
産後の体には、ホルモンバランスをはじめさまざまな変化が起きています。これによって、イライラ感のほか、胃腸の症状や泌尿器系に関する変化、肩こりなど、さまざまな症状(マイナートラブル)が起きることがあります。
産後のマイナートラブルについて調査した研究によると、多くの症状は時間の経過とともに減っていくことがわかりました。一方で、産後1年経っても症状が続いている人もいました。
なお、生理の再開を、ホルモンバランスの一つの目安としてもいいかもしれません。個人差はありますが、だいたいの方が、産後半年~1年ほどで再開すると言われています。
ホルモンバランスの乱れによる症状が1年以上続くときは婦人科に相談を
ホルモンバランスの乱れによる症状が続く、または症状がひどいなど、不安がある場合は婦人科の受診を検討しましょう。1年以上続いている場合は特に受診を検討したほうがよいでしょう。
なお、産後のさまざまな症状は、生活習慣やストレスによるホルモンバランスの変化が原因となっているケースもあります。そのまま生理不順となり、次の妊娠に影響する可能性もあるため、原因を明らかにするためにも早めに婦人科に相談しましょう。
産後のホルモンバランスの乱れは睡眠・食事などでケアを
前述の通り、産後のホルモンバランスには、生活習慣やストレスが関係していることもあります。そのため、ホルモンバランスを整えたいときは、睡眠や食事などに注意しましょう。食事のポイントは、栄養バランスに気を配り、大豆製品や鉄分、カルシウムをしっかりとること。
さらに、十分な睡眠時間をとったり、1人で無理をせずに、家族や行政サポートに頼ったりすることも大事です。詳しく見ていきましょう。
産後のホルモンバランスを整えるおすすめ食べ物を積極的に摂る
結論から言うと、この食べ物を食べればホルモンバランスが整うということはありません。最も大切なことは、栄養バランスのとれた食事を心がけることと、適正体重が維持できるようにカロリー摂取量に気を使うことです。痩せすぎや太りすぎはホルモンバランスの乱れの原因となるためです。
なお、不足した女性ホルモンを補うという意味では、イソフラボンを積極的に摂るとよいでしょう。イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあり、大豆製品に多く含まれています。
鉄分を豊富に含む食品を積極的に摂る
産後のホルモンバランスの乱れはさまざまな症状を引き起こしますが、中でも悩みの声が多いのが貧血や抜け毛。貧血の改善や、髪の発育をサポートする栄養素としておすすめなのは、鉄分です。以下のような鉄分を豊富に含む食材を積極的に摂りましょう。
- ほうれん草
- あさり
- ひじき
- レバー
など
カルシウムを豊富に含む食品を積極的に摂る
産後に心配な症状の一つとして、歯や骨が弱くなることも挙げられます。赤ちゃんの歯や骨の形成に必要なカルシウムが、母乳とともに出て行ってしまうためです。
さらに産後は、骨からカルシウムが溶け出すのを防いだり、骨にカルシウムを蓄えたりする働きのある女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下することも原因です。
また、カルシウムは心の安定や、体の生理機能の調整にも関わっています。そのため、以下のようなカルシウムを豊富に含む食材を積極的に摂りましょう。
- 牛乳
- ヨーグルト
- ひじき
- いわしの丸干し
- 桜エビ
など
なお、食物繊維の過剰摂取によって、カルシウムの吸収が妨げられることがあるため、食べすぎには注意しましょう。
産後のホルモンバランスを整えるサプリメントを活用する
産後は赤ちゃんのお世話に忙しく、ご飯を作ったり食べたりする時間がないというお母さんも多いでしょう。食事がおろそかになってしまう場合は、ホルモンバランスを整えるサプリメントを活用するのも一つの方法です。
ホルモンバランスを整えるだけでなく、産後や授乳期に必要な栄養を複数種類配合したサプリメントもあるため、自分に合ったものを選びましょう。
睡眠時間を十分に確保する
ホルモンバランスを整えるためには、睡眠も重要です。できればたっぷりと睡眠をとりたいものですが、産後のお母さんはそうもいかないもの。そのため、睡眠時間は確保できなくても、できる限り睡眠の質を高めるようにしましょう。
寝る前にスマホをいじったりするのはNG。寝る前にアロマや落ち着いた音楽、マッサージなどを取り入れて、リラックスした状態で眠りにつけるように工夫してみましょう。
無理せず家族や行政サポートに頼る
ストレスや睡眠不足はホルモンバランスが乱れる大きな原因となります。ホルモンバランスの乱れやストレスが重なると、産後うつ病を発症することもあるため、無理せずに家族や行政サポートに頼ることが大事です。
行政が行っているサポートとしては、「地域の人が相談相手になってくれる」「助産師などによる育児のサポートや心身のケア」などさまざまなものがあります。お住まいの自治体のホームページなどで調べるか、検診などの際にどんな支援があるのか聞いてみましょう。
産後ホルモンバランスの乱れは約1年でおさまることが多い!長引く場合は病院へ
産後のホルモンバランスの乱れやそれによる症状が続く期間には個人差があります。ただ、1年もすればホルモンの状態も落ち着いてくることが多いようです。
気になる症状が1年以上続く場合は、婦人科を受診したほうがよいでしょう。ただし、マタニティブルーズ(産後の不安感、イライラ、集中力低下、不眠など)は、産後2週間経っても改善しない場合は受診が必要だとされています。期間にかかわらず、症状がひどい場合や悪化している場合などは、早めに受診を検討しましょう。