logo 産後の乾燥肌はなぜ起こる?産後の肌乾燥によるかゆみや肌荒れを防ぐにはどうすればいいの?

産後に乾燥肌になり、かゆみや肌荒れに悩まされることがあります。どうして産後に乾燥肌になるのか、かゆみや肌荒れを防ぐにはどうすればよいのか、知りたい方も多いでしょう。

そこで、産後に乾燥肌が起こる理由や、乾燥肌によるかゆみ・肌荒れの予防方法などについて解説します。

産後の乾燥肌が起こる理由はホルモンバランスの乱れ・便秘などが考えられる

産後の乾燥肌が起こる主な原因は、以下の3つです。

原因 理由
ホルモンバランスの乱れ 出産後に女性ホルモンの分泌が急激に減り、肌が乾燥しやすくなる
便秘 腸に溜まった老廃物などが原因で栄養吸収が悪くなったり、血中の毒素が増えたりして乾燥肌や肌荒れを起こす
肝臓への負担 大きくなった子宮に圧迫されたり、何らかの病気を発症したりして肝臓に負担がかかった結果、乾燥肌やかゆみが出る

それぞれの原因について、下記にてくわしく解説します。

ホルモンバランスの乱れ

産後に乾燥肌になる原因のひとつが、プロゲステロンやエストロゲンなどの女性ホルモンの乱れです。

プロゲステロンとは、黄体ホルモンとも呼ばれる女性ホルモンの一種です。プロゲステロンには、以下のような働きがあります。

  • 妊娠しやすい状態にする
  • 妊娠を維持する
  • 体内に水分や栄養素を溜める
  • 皮脂の分泌を促す など

エストロゲンとは、卵胞ホルモンとも呼ばれる女性ホルモンの一種です。エストロゲンには、以下のような働きがあります。

  • 丸みのある女性らしい体を作る
  • 妊娠できる体を作る
  • コラーゲンの産生を促す
  • 肌のハリやツヤを保つ など

妊娠すると、上記のような働きをもつプロゲステロンやエストロゲンの分泌量が増加します。そのため、肌のハリやツヤがアップするなど、肌の調子がよくなる方もいます。

しかし、産後はもとの体に戻ろうと、急激に女性ホルモンの分泌量が減少するために、肌が乾燥しやすくなるのです。

便秘

産後は会陰切開の傷や骨盤底筋の衰え、母乳育児による水分不足などが原因で、便秘が起こりやすくなります。とくに、産後6~8週頃は腸の動きが鈍くなりやすいため、便秘になりがちです。

便秘になると、腸のなかに食べ物の残りかすや老廃物が溜まり、栄養が吸収されにくくなります。また、長期間便秘が続くと血中に毒素が増え、血行や新陳代謝が悪くなるため、乾燥肌や肌荒れなどのトラブルが起こりやすくなります

肝臓への負担

妊娠中は大きくなった子宮に圧迫されたり、血流が悪くなったりして、肝臓に負担がかかりがちです。また、以下のような病気を発症することもあります。

  • 妊娠高血圧症候群の重症化による肝機能障害(HELLP症候群)
  • 急性妊娠脂肪肝 など

肝臓に問題が起こると、肌が乾燥しやすくなったりかゆみが出たりすることがあります

産後の乾燥肌によって起こる様々な肌トラブルの対処法をご紹介!

産後に乾燥肌になると、以下のような肌トラブルが起こることがあります。

  • かゆみ
  • 発赤
  • 皮むけ・ボロボロ
  • ブツブツ

ここでは、上記のような肌トラブルが起きた場合の対処法を紹介します。

かゆみ

産後の乾燥肌が原因でかゆみが出たら、まずはしっかり保湿しましょう。乾燥肌になると、肌のバリア機能が低下して、外部からの刺激を受けやすくなります。

また、肌が乾燥した状態が続くと、肌の奥のほうにある知覚神経の末端が、肌表面の近くまで伸びてきます。すると、少しの刺激にも敏感に反応するようになり、かゆみを感じやすくなるのです。

肌の保湿には、コラーゲンやヒアルロン酸、セラミド、尿素などが配合された化粧品や保湿剤を選ぶとよいでしょう。

  • コラーゲン:肌のハリや弾力を保つのに役立つ
  • ヒアルロン酸:水分保持力が高く、肌の保湿に役立つ
  • セラミド:角質層にあるうるおい成分で、肌のうるおいやキメを整えるのに役立つ
  • 尿素:肌の水分を保持して乾燥を防ぎ、うるおいを保つのに役立つ

産後は肌が敏感になりやすいため、刺激が少ない化粧品を選ぶことも大切です。これまで使っていた化粧品が合わなくなるケースもあるので、1度目立たない箇所で試してみて、肌トラブルが起こらないかどうかをチェックしましょう。

皮むけ・ボロボロ

産後は子どもが優先になり、自分のお手入れが適当になりがちです。その結果、肌が皮むけを起こしたり、ボロボロになったりすることがあります。

皮むけや肌がボロボロになるなどのトラブルも、乾燥が酷いことが主な原因なので、まずはしっかり保湿しましょう。先に解説したような、コラーゲンやヒアルロン酸、セラミド、尿素などが配合された化粧品や保湿剤を使うのがおすすめです。

また、エアコンの使用や熱いお湯での入浴、紫外線なども乾燥肌を悪化させる原因になります。

  • 加湿器を置いて部屋の湿度を保つ
  • 38~40℃くらいのぬるめのお湯で入浴する
  • 日焼け止めを使う

上記のような対策をして、乾燥肌が悪化しないようにしましょう。

ブツブツ

産後の肌のブツブツは、ニキビ・吹き出物と湿疹・蕁麻疹の2パターンが考えられます。産後にニキビや吹き出物ができる主な原因は、以下のとおりです。

  • ホルモンバランスの変化
  • 便秘
  • 肌の乾燥による皮脂の過剰分泌 など

乾燥が酷いと余分に皮脂が分泌され、ニキビや吹き出物ができやすくなります。そのため、しっかり保湿をすることが重要です。

また、産後は自分の時間を取れないことも多いですが、できるだけバランスのよい食事を取ったり軽く運動したりして、便秘を予防しましょう。

産後に湿疹や蕁麻疹ができる主な原因は、以下のとおりです。

  • ホルモンバランスの変化
  • 疲れ
  • ストレス
  • 赤ちゃんのよだれによる刺激 など

湿疹や蕁麻疹ができてしまったら、できるだけ規則正しい生活を送ること、体を休めることを意識しましょう。

赤ちゃんがいる状態で、規則正しい生活をして休息を取るのは難しいと思いますが、家族に協力してもらう、産後ヘルパーを利用するなど方法を考えてみてください。

また、患部をかきむしると悪化する可能性があるので、薬を使う、患部を冷やすなどして、かゆみを抑えましょう

どうしても治らない場合は皮膚科受診を検討

産後の乾燥肌やかゆみ、肌荒れがどうしても治らない場合は、皮膚科に行くことを検討しましょう。肌荒れやかゆみが酷いと強いストレスを感じるうえに、放置することで症状が悪化することがあるためです。

また、肝臓に問題があるなど、何らかの病気が隠れている可能性もあるため、肌トラブルが長引いている場合は医師に相談してみましょう。

産後は肌質が変わりやすい

産後はホルモンバランスの乱れや便秘などが原因で、肌質が変わりやすくなります。乾燥肌になったり、かゆみや肌荒れが酷くなったりすることも多いので、しっかり保湿するなどして対策することが重要です。

なかなか肌トラブルが治らない場合は、何らかの病気が隠れている可能性もあるため、皮膚科の受診を検討しましょう。

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