産後のニキビが治らない!原因と対処法は?
産後にニキビができて治らなくなり、困っている方は多いでしょう。しかし、なぜ産後にニキビができてしまうのでしょうか。今回は、産後にニキビができる原因や対処法について解説します。
産後のニキビはなぜできる?
産後にニキビができる主な原因は、以下のとおりです。
- ホルモンバランスの変化
- 過度なストレス
- 適切なスキンケアができていない
- 食生活の乱れ
- 睡眠不足
これらの原因について、下記にてくわしく解説します。
ホルモンバランスの変化
産後は妊娠中に増加した女性ホルモンの分泌量が一気に減少します。女性ホルモンのエストロゲンには、女性らしい体、妊娠しやすい体を作る働きのほかに、以下のような働きもあります。
- 皮脂の分泌を促進する
- 肌にハリやツヤを与える
- コラーゲンの生成を促す など
このような働きをもつ女性ホルモンの分泌が大幅に減少することで、肌のターンオーバーが乱れたりバリア機能が低下したりして、ニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなるのです。
過度なストレス
産後は出産のダメージが残った体で慣れない育児や家事をこなす必要があり、非常にストレスが溜まりやすい状態です。ストレスが溜まると自律神経が乱れ、アンドロゲンという男性ホルモンが活性化します。
アンドロゲンには皮脂の分泌を促したり肌を硬くしたりする働きがあるため、ストレスが溜まってアンドロゲンが活性化すると、皮脂が過剰に分泌され、毛穴が詰まりやすくなります。その結果、ニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖しやすくなり、ニキビができやすくなるのです。
適切なスキンケアができていない
産後は何かと忙しく、スキンケアに時間をかける暇がないという方は多いものです。また、女性ホルモンの乱れによって肌バリアが弱まり、これまで使っていたスキンケア製品が合わなくなる方もいます。
ついついスキンケアをサボってしまったり、肌に合わないスキンケア製品を使い続けた結果、ニキビができてしまうことがあります。
食生活の乱れ
赤ちゃんのお世話に追われて自分の食事は惣菜や菓子パンで済ませてしまったり、食事を抜いてしまったりと、産後に食生活が乱れる方も多いでしょう。
その結果、脂質や糖質の摂取量が増えると、皮脂が過剰に分泌されてニキビができやすくなります。
睡眠不足
産後は赤ちゃんの夜泣きや数時間おきの授乳などで、寝不足になることも少なくありません。睡眠不足に陥ると細胞の再生が滞り、肌のターンオーバーが乱れるため、ニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなります。
ニキビを少しでも軽減するには?
産後はホルモンバランスの変化やストレス、睡眠不足などが重なり、ニキビなどの肌トラブルが起こりやすい状態にあります。少しでもニキビを軽減したいなら、下記のようなことを意識しましょう。
- バランスの取れた食事を心がける
- ストレスを溜めないようにする
- 睡眠時間を確保する
各対処法について、下記にてくわしく解説します。
バランスの取れた食事を心がける
食生活が乱れるとニキビができやすくなります。毎食きっちり食べるのは難しいと思いますが、なるべくバランスの取れた食事を取るよう心がけましょう。とくに積極的に取り入れたいのが、以下の栄養素を含む食品です。
- たんぱく質:肌の材料となる成分。ターンオーバーを正常にするのに役立つ
- ビタミンB・C・E:抗酸化力が高く、肌の修復や酸化防止などに役立つ
- 食物繊維:腸内環境を整え、便秘を予防するのに役立つ
上記の栄養素を多く含む食品には、以下のようなものがあります。
栄養素 | 食品 |
たんぱく質 | 卵・豆腐・納豆・赤身肉・ささみ など |
ビタミンB | 豚肉・牛レバー・鯖・ナッツ類・玄米 など |
ビタミンC | ブロッコリー・ピーマン・アセロラ・キウイ・オレンジ など |
ビタミンE | うなぎ・アーモンド・緑黄色野菜 など |
食物繊維 | きのこ・海藻類・ゴボウ・コーン・さつまいも など |
ストレスを溜めないようにする
ストレスを溜めないようにすることも、ニキビ対策に有効です。以下のような行動を取り入れて、ストレスを解消できるようにしましょう。
- 1人になる時間を確保する
- なるべく湯船に浸かってリラックスする
- アロマなどでよい香りを楽しむ
- ウォーキングなど軽い運動を取り入れる
睡眠時間を確保する
睡眠不足はターンオーバーの乱れやストレスを招き、ニキビを悪化させる原因になります。赤ちゃんがいると長時間ぐっすり眠るのは難しいと思いますが、できるだけ睡眠時間を確保することが大切です。
どうしても睡眠時間が確保できない場合は、アロマを焚く、カフェインを避けるなどして、睡眠の質を上げることを意識しましょう。
ニキビの対処法は?
できてしまったニキビにどう対処すべきか悩む方もいるでしょう。ニキビができたときの基本の対処法は、以下の2つです。
- 適切な洗顔を行う
- 肌の保湿と紫外線対策を行う
なぜこの2つが大切なのかについて、下記にて解説します。
適切な洗顔を行う
ニキビができてしまったときは、肌に皮脂や汚れが残らないよう、適切な洗顔を行うことが重要です。洗顔料を使って皮脂や汚れをしっかり落としましょう。
ただし、皮脂を落としすぎると肌が乾燥し、皮脂が過剰に分泌されて毛穴に詰まり、それがニキビになるという悪循環に陥る可能性があります。ニキビを繰り返さないように、以下のような洗顔を心がけましょう。
- 皮脂や汚れを落としつつも潤いを守るメイク落としや洗顔料を選ぶ
- ゴシゴシこすらず泡でやさしく洗う
- 洗顔は朝と夜の2回にして洗いすぎない
肌の保湿と紫外線対策を行う
先述のとおり、肌が乾燥すると皮脂の分泌が促進され、ニキビが悪化する可能性があります。洗顔後は肌をしっかり保湿して、乾燥しないようにしましょう。
また、紫外線対策を徹底することも重要です。紫外線を浴びると肌が乾燥したり、バリア機能が低下したり、アクネ菌が繁殖しやすくなったりします。強い日焼け止めは刺激になる場合があるので、低刺激のものを選びましょう。
ニキビがひどい場合は皮膚科の受診を検討
ニキビがひどい、なかなか治らないという場合は、皮膚科の受診を検討しましょう。ひどいニキビを放置すると、ニキビ跡が残ってしまうことがあります。
また、ニキビだと思っていたらウイルス性発疹だったなどのケースもあるので、1週間ほど経っても改善しない場合は、自己判断せずに医師に相談するのがおすすめです。
産後のニキビは徐々に治る可能性も!
産後にできたニキビは、ホルモンバランスの乱れが落ち着けば徐々に治ってくる可能性もあります。しかし、ストレス過多な状態や食生活の乱れ、睡眠不足などが続いていると、なかなか治らないこともあるでしょう。
赤ちゃんがいると自分の時間を確保するのが難しいですが、なるべく規則正しい生活やバランスの取れた食事、質のよい睡眠を取り、ストレスを解消することが大切です。どうしても治らない場合は、皮膚科の受診を検討しましょう。