産後のお腹のケアとは?お腹のたるみの戻し方
産後にはさまざまな悩みが生じますが、なかでもお腹のたるみに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。出産してからもお腹がなかなか元に戻らないのは、主に3つの原因が考えられます。今回はおすすめの産後ケア方法もたっぷりと紹介するので、お腹のたるみでお悩みの方はぜひ参考にしてください。
産後はお腹がたるみやすい?
産後にお腹がぽっこりとしてしまうのは、単に妊娠中に体重が増えたり、お腹が大きくなったりしたから、というだけではありません。まずは原因を見てみましょう。
女性ホルモンの影響
妊娠中は「リラキシン」というホルモンが大量に分泌されて、靭帯などの骨盤まわりの組織がゆるみます。これはお腹の中に赤ちゃんが育つスペースを確保するためです。
出産後はリラキシンは徐々に減少していきますが、いったんゆるんだ靭帯や筋肉はすぐには元に戻らないので、子宮や腸が下がってお腹がぽっこりとなりやすいのです。
骨盤が開いてしまった
リラキシンによって骨盤まわりはゆるんで開きやすくなります。これによって赤ちゃんの成長や出産がスムーズにできるのですが、骨盤がゆるむと、筋肉を正しく使うことが難しくなるというデメリットもあります。筋肉が正しく使われなくなると、お腹のまわりに脂肪がつきやすくなって、お腹がたるんだようになります。
さらに、骨盤が後ろに傾くとお腹を突き出した姿勢になりやすいため、お腹が目立ちやすくなってしまうこともあります。
筋力の低下
妊娠中はお腹が大きくなるので、どうしても姿勢が悪くなりがちです。正しくない姿勢が長く続くと、筋肉が正しく使われないためにお腹のまわりの筋肉がゆるんで、お腹がぽっこりと出てしまいます。
さらに、産後も姿勢が悪い状態が続くと筋力の低下はどんどん進むため、たるみが元に戻りにくくなるという悪循環に陥ることもあります。
産後のお腹のケアは3か月ほどが経ってから
お腹のたるみが気になっても、出産直後はまだ体力が戻っていない状態です。出産で大きなダメージを負った体は安静が第一。あせってお腹を元に戻そうと運動やトレーニングをするのは禁物です。
産後1か月の検診のころには、簡単なストレッチなどであればできるようになります。医師に相談したうえで、軽い体操などを始めましょう。
ある程度体が回復し、軽い運動ができるようになるのは3か月ほど経ってからです。体に無理がかからない程度に、筋トレや運動などでお腹の産後ケアを始めていきましょう。
具体的な産後のお腹のケアとは?
ぽっこりとしたお腹を元に戻すための産後ケアには、さまざまな方法があります。無理のない範囲で、できることから取り組んでみませんか?
バランスのよい食事をする
産後は赤ちゃんのお世話が中心になり、お母さんの食事はインスタントやお菓子などで適当にすませがちに。こうなると、栄養バランスが崩れて体重が増えてしまう可能性があります。また、バランスの悪い食事は体の回復もさまたげてしまうので、栄養バランスを考えた食事をしましょう。
ストレッチを行う
産後1か月検診のころには、徐々に体も回復してきています。医師から問題を指摘されなければ、軽いストレッチなどで体を動かしてみましょう。
骨盤体操をする
骨盤体操には、開いた骨盤を引き締め、ゆがみを正す効果が期待できます。ここでは、無理なくできる方法を紹介します。
1.うつぶせに寝た状態で両足を少し開く
2.右手を腰骨にあてながら、右のかかとをお尻側に引き寄せてから元に戻す
3.左側も同様に行う
これを何回か繰り返すと、骨盤のゆがみの改善に効果が期待できますよ。時間を見つけて習慣化していきましょう。
骨盤ベルトを着用する
骨盤ベルトには、骨盤のゆるみをサポートし、正しい位置に安定させる効果が期待できます。着用するだけでよいので、赤ちゃんのお世話が忙しいお母さんにも便利です。
正しい姿勢を心がける
妊娠中はお腹が大きくなるので姿勢も崩れやすくなります。その姿勢が産後も定着してしまうと、内臓が下がってお腹がぽっこりとしてしまうため、日常生活の中で正しい姿勢を意識するようにしてみましょう。
腹筋を意識して過ごす
日常生活の中で腹筋を意識することも、お腹の引き締めに効果的です。座っているときは上半身が床に対して垂直になるように意識し、立つときは腹筋に力を入れて立つようにすると、腹筋が鍛えられます。
有酸素運動をする
有酸素運動は、比較的負荷が少なく、長時間続けて行うような運動です。ウォーキングやヨガなどは手軽にできるのでおすすめ。20分以上続けることで、脂肪燃焼効果を高めることができるとされています。
マッサージをする
マッサージには、血行を促してたるんだお腹を引き締める効果が期待できます。指のすべりをよくするクリームや美容オイルを使って、腰回りを上下にマッサージしたり、お腹の上を時計回りにマッサージしたりすると効果的です。
ショーツを変える
下着も産後ケアに役立ちます。お腹をやさしく押さえるショーツが市販されているので、締め付け感が少ないものを着用すると、無理なく自然にお腹のシルエットを整えることができますよ。
なかなか戻らない場合は整骨院に相談
多くの整骨院では、産後のための骨盤ケアも行っています。自己流で体操やストレッチをしても効果を感じられない場合や痛みを感じてしまう場合は、整骨院で施術してもらうのもひとつの方法です。
無理をしすぎると体調を崩す原因にも
産後はすぐに体型を元に戻そうとがんばりすぎてしまう方もいますが、無理をしすぎるのはいけません。とくに出産直後に体に負担をかけることをしたり、食事制限をしたりするのは体調を崩すもとです。
産後8週間ぐらいまでの産褥期は、産後ケアよりも安静を第一にしましょう。また、食事も母乳を作るためにも大切なものです。ダイエットをしようと量を減らすのではなく、母乳のためにもしっかりと栄養を摂るようにするとよいでしょう。
自分に合った産後のお腹のケアを
産後はさまざまな体の変化が訪れます。早く元に戻したいと思うかもしれませんが、産後はまずは安静を第一に心がけ、3か月ほどしてから産後ケアを始めましょう。産後ケアの方法には、食事や運動のほか、骨盤ベルトなどのアイテムを利用する方法もあります。無理のない範囲で、あなたに合った産後ケアを選んでくださいね。