産後、生理再開でニキビが!産後の体の変化と対処法
産後、生理の再開とともにニキビができて悩まされているママもいるでしょう。「赤ちゃんがいてケアもできないし、どうすればいいか分からない」と困っているかもしれません。今回は、生理再開後のニキビの原因や対処法を紹介します。
産後いつごろから生理は再開する?
産後半年ぐらいが生理再開の目安です。しかし、産後2ヶ月ほどで始まったという人もいれば、1年経っても再開しない人もいるなど個人差があります。
また、完全母乳で育てている人は、混合や完全ミルクの人より遅くなるとされています。
生理の再開に影響するのがプロラクチンという女性ホルモンです。プロラクチンには排卵を抑制する働きがあり、授乳期には活発に分泌されます。離乳食を始めたり、卒乳したりして赤ちゃんがおっぱいを吸わなくなった時期に生理が再開する人が多いのはこのためです。
ホルモンバランスの変化によりニキビができる!
産後はホルモンバランスが大きく変化します。その一つがプロゲステロン(女性ホルモンの一種)の分泌量が激減することです。プロゲステロンには妊娠を継続させる働きがあるため、妊娠中に増加します。
プロゲステロンのもう一つの働きは、子宮内膜を厚くして妊娠に備えることです。妊娠に至らないと、子宮内膜は剥がれ落ちて血液と一緒に排出され、生理が起こります。産後、しばらくは生理がないのは、プロゲステロンの分泌量がほぼゼロになるためです。
生理の再開は、プロゲステロンの分泌量が回復したという印といえるでしょう。
しかし、プロゲステロンが増えると皮脂の分泌量も増えるとされています。過剰な皮脂は毛穴詰まりを起こしやすくなるため、ニキビにもなりやすいのです。
必ずしも生理がニキビの原因ではない可能性も!
「産後、生理が再開したらニキビがひどくなった」という人は少なくありません。しかし、ニキビの原因はさまざまです。「生理が再開したから」だけではない可能性もあります。ここからは、産後のニキビの原因として考えられることをチェックしてみましょう。
ストレス
産後は24時間体制で赤ちゃんの世話をすることになり、生活スタイルがガラッと変わります。夜中に起きて授乳したり、ぐずる赤ちゃんをあやしたりと、どうしても生活は不規則になります。その中で家事をこなしたり、上に子どもがいる場合は面倒をみたりと休む暇もないでしょう。ただでさえ、出産のダメージから回復しきっていない時期です。体調が万全でない中、赤ちゃんの世話をしなくてはならないというプレッシャーや責任感がのしかかるのは、大きなストレスでしょう。
こうしたストレスの積み重ねは自律神経の乱れにつながります。そして、皮脂分泌を促す働きもある男性ホルモンの分泌が活発になり、皮脂分泌が過剰になったり、反対に乾燥したりすることで、ニキビができやすくなるのです。
便秘や肩こり
産後、排尿や排便をコントロールする骨盤底筋のゆるみや、授乳による水分不足から便秘になるママは少なくありません。便意を感じてもすぐにトイレに行けず、結果的に便秘になってしまうこともあるでしょう。
腸内に便が滞留すると、腐敗して毒素が発生します。毒素は毛細血管を通じて全身を巡り、肌にも悪影響を与えます。便秘がニキビなど肌トラブルの原因になるのはこのためです。
意外かもしれませんが、肩こりもニキビを引き起こす要因になります。肩こりによる血行不良で肌に酸素や栄養が十分行き届かなくなり、ターンオーバーの乱れからニキビにつながりやすいのです。授乳や赤ちゃんのおむつ替えなどで不自然な姿勢をとり続けたり、長時間抱っこをしたりしている人は注意しましょう。
睡眠不足
言うまでもなく、睡眠不足は美容の大敵です。細胞を修復する成長ホルモンは、眠っている間に分泌が活発になります。十分な睡眠をとらないと、成長ホルモンが十分に分泌されず、肌荒れなどのトラブルを起こしやすくなるのです。
睡眠不足も、ストレスがある時と同様に自律神経の乱れを招いたり、男性ホルモンの分泌が活発になったりします。
また、睡眠不足そのものがストレスになることもあります。ママでなくても「眠いのに寝られない」「寝てもすぐ起こされる」ことが毎晩のように続けば、イライラしたり泣きたくなったりするでしょう。ホルモンバランスが不安定な産後ならなおさらです。
食生活
産後のママは赤ちゃんの世話や家事に追われて、ゆっくり食事をする暇もありません。食事の時間や内容も不規則になりがちです。しかし、食生活の乱れはニキビを引き起こす原因となります。
特に授乳中のママは母乳に影響するからと食べるものを制限することもありますが、食事が偏り過ぎるとホルモンバランスの乱れや便秘につながります。
また「食べられる時に食べておかないと」とドカ食いをしたり、反対にダイエットのためにと食べなさすぎたりするのもよくありません。肌の栄養バランスを考えた適量の食事を意識するようにしましょう。
自分に合った対処法を!
ニキビの原因に思い当たることがあったら、自分に合う方法で対処しましょう。産後に限らず、肌のために心掛けたい対処法を紹介します。
生活サイクルを整える
赤ちゃんの世話をしなくてはならない産後ママにとって、すぐに規則的な生活をするのは難しいかもしれませんが、パパや双方の両親、きょうだいに赤ちゃんを預けて昼寝をしたり、美容院やカフェに一人で出かけたりして、睡眠不足やストレスを解消することも必要です。
自治体によっては赤ちゃんの預かりをしてくれるところもあります。上手に活用して、少しずつ生活サイクルを整えていきましょう。
適度な運動
便秘や肩こりを改善するためにも、適度な運動がおすすめです。「赤ちゃんがいるから時間がとれない」と思うかもしれません。運動のための時間を確保するのが難しい、面倒という人もいるでしょう。
特別な運動でなくても構いません。抱っこしたままスクワットをしたり、赤ちゃんをお腹の上に乗せて腹筋をしたりするなど、世話をしながらできるエクササイズを取り入れてみましょう。
歩いて買い物に行く、少し速足で歩くなど日常生活の中でも意識すれば運動になります。
スキンケア用品を見直そう!
産後はホルモンバランスが不安定になるため、肌のコンディションも乱れがちです。産前や妊娠中に使っていた化粧品が合わなくなることもあります。
また、スキンケアに気を使っている暇がないという人もいるでしょう。そんなときは、洗顔後に一塗りするだけで済むオールインワンタイプなど、時短アイテムを活用するのがおすすめです。
近年、産前産後のケアによいとして注目されているのがツバメの巣です。天然のアナツバメの巣には、肌の再生を促したり保湿成分を増やしたりする効果があることが確認されています。
治らない場合は皮膚科を検討
セルフケアで改善が見られないときは、皮膚科の受診も検討しましょう。ニキビが化膿したり、気になって潰したりしてしまうと悪化や跡が残る恐れもあります。
ニキビは症状に合わせた治療をすることが大切です。産後・授乳中であることを伝えれば、飲み薬や塗り薬の処方にも配慮してもらえるでしょう。
セルフケアと皮膚科の治療を組み合わせることで、ニキビをはじめとする肌荒れの改善が期待できます。
産後のニキビはできることから改善を!
産後、生理が再開してニキビに悩まされるようになるママは少なくありません。「生理のせい」と思うかもしれませんが、ホルモンバランスの乱れやストレスなど、ニキビの原因はさまざまです。自分の生活サイクルや食生活などを見直して、思いあたることがあったら少しずつ改善していきましょう。自分一人で抱え込まず、家族や周囲の人の力を借りることも大切です。ママとしても女性としても、輝く毎日を目指しましょう。