産後の体重の減り方や減らない理由を解説!産後に適したダイエット方法もご紹介
妊娠中に増加した体重を落とそうと、産後にダイエットに取り組む方は多いでしょう。しかし、思うように体重が減らず、困っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、産後に体重が減らない理由や、産後に適したダイエット方法などについて解説します。
産後の体重の減り方は人それぞれ
個人差がありますが、妊娠すると出産までに10kg前後体重が増加します。これはただ単に太って体重が増えているわけではありません。赤ちゃんの体や羊水、胎盤のほか、妊娠・出産に向けて増加した血液や水分、脂肪などの重さで体重が増加するのです。そのため、多くの場合出産を終えれば体重は減少します。
ただし、産後すぐに出産前の体重に戻るわけではありません。産後に減少するのは赤ちゃんの体と羊水・胎盤の重さ、出産時の出血した血液の重さなどで、合計4kg程度です。妊娠中に蓄えた脂肪などが消費されて体重が落ちるには、数ヶ月ほどかかります。
なお、産後の体重の減り方は人それぞれで、急激に体重が落ちる方もいれば、あまり体重が減らない方もいます。また、完全に出産前の体重には戻らず、妊娠前の体重+2~3kg程度に落ち着く方も多いといわれています。
産後に体重が減らない理由
産後は時間の経過とともに少しずつ体重が減っていくものですが、思うように体重が減らない方もいます。体重が減らない原因として多いのが下記の3つです。
- 妊娠中に必要な脂肪の残りや水分によるむくみ
- 骨盤の歪みや筋肉量の低下
- 摂取カロリーの増加
それぞれの原因について、くわしくみていきましょう。
妊娠中に必要な脂肪の残りや水分によるむくみ
妊娠すると、出産や産後の授乳を乗り切るために体が脂肪や水分を蓄えます。これらの脂肪や水分は、出産とともに体外に排出されるものではなく、時間の経過とともに少しずつ消費されます。
また、出産時に羊水が排出されるため、産後の体はできるだけ水分を溜め込もうとしてむくみやすくなります。こうした妊娠中や産後に溜まった脂肪と水分によって、なかなか体重が減らないことがあります。
骨盤の歪みや筋肉量の低下
出産時には赤ちゃんがスムーズに出られるように、骨盤が大きく開きます。このとき骨盤周辺の筋肉や靭帯に大きな負担がかかることから、産後に骨盤が歪んでしまうことがあります。
骨盤の歪みは血行不良や内臓の下垂を招き、痩せにくくなったり下腹部がぽっこりと出やすくなったりします。
また、妊娠中は安静にする必要があったり、つわりや体調不良などで動けなくなったりすることがあって運動量が減りがちです。長期間動けない状態が続くと筋肉量が減ってしまうため、基礎代謝が落ちて痩せにくくなります。
摂取カロリーの増加
産後は赤ちゃんのお世話に追われ、自分の食事がおろそかになりがちです。食事の時間がバラバラになったり、菓子パンなどの手軽に済ませられるものばかり食べてしまったりすることもあるでしょう。
また、授乳期は食欲を調整する「レプチン」というホルモンの分泌量が減るため、いつもより食欲を抑えるのが難しくなります。こうして食生活が乱れたり食べ過ぎが続いたりした結果、なかなか体重が減らなくなることがあります。
産後ダイエットはいつから始めていい?
産後太りが気になり、「早くダイエットを始めたい」という方もいるでしょう。しかし、産後の体は大きなダメージを受けており、痛みや不快感などが続いたり、熱が出たりすることもあります。
ダイエットを始めるのは体調が安定してくる産後2~3ヶ月頃からを目安にして、まずは体を回復させることに専念しましょう。
とくに産褥期(さんじょくき)といわれる産後6~8週間の間は、無理に体を動かさず安静にすることが大切です。この時期に無理をすると体の回復が遅れ、体調不良が長引く可能性があります。
産後に適したダイエット法
産後の体に無理なダイエットは禁物です。しかし、どのような方法でダイエットすればよいのかわからない方もいるでしょう。そこで、産褥期と産後2〜3ヶ月目の体に適したダイエット方法を紹介します。
産褥期:食事編
産褥期は妊娠中に落ちた筋肉や出産時に失った血液を取り戻すためにも、たんぱく質や鉄分が豊富な食材を中心に、バランスのよい食事を心がけましょう。
- たんぱく質が多い食材:大豆製品・卵・肉類・魚介類など
- 鉄分が多い食材:鶏レバー・ほうれん草・小松菜・カツオなど
また、貧血対策に欠かせないビタミンB12や、母乳育児で不足しがちなカルシウムが豊富な食材を取り入れるのもおすすめです。
- ビタミンB12が多い食材:魚介類・レバー・チーズなど
- カルシウムが多い食材:牛乳・チーズ・豆腐など
産褥期:エクササイズ編
産褥期は安静にするのが基本ですが、産褥体操などのごく軽いをすると、産後太りの予防に役立ちます。1日目は仰向けになって腹式呼吸と足首を回す運動、2日目は仰向けになって頭を上げ下げする運動など、無理のない範囲で行いましょう。
産後の体の状態は人によって異なるので、医師と相談のうえ、自分に合った方法を考えることが大切です。
産後2〜3ヶ月目:食事編
産後2〜3ヶ月目も、基本は産褥期と変わりません。たんぱく質やビタミンなどをしっかり摂取するよう意識しましょう。高カロリーな食事は避けて、和食をメインにするのがおすすめです。
ホルモンバランスの乱れで食欲が抑えられないことがありますが、お菓子を食べると痩せにくくなってしまいます。どうしても何か食べたいときは、バナナやヨーグルト、ナッツ、少量のあんこなどを食べるとよいでしょう。
産後2〜3ヶ月目:エクササイズ編
産後2〜3ヶ月目頃になるとホルモンバランスが整ってきて、妊娠のために蓄えた脂肪や水分も消費されていくため、ダイエットの効果を感じやすくなります。
仰向けになって膝を立て、お尻を持ち上げるヒップリフトを行い骨盤底筋を鍛えるなど、少しずつ筋トレを取り入れて骨盤周りを鍛えるのがおすすめです。
ただし、産褥期と比較すると体が回復しているとはいえ、まだまだダメージは残っているので無理なトレーニングは避けましょう。
産後ダイエットの注意点
産後ダイエットをするにあたって、下記の2点を意識することが重要です。
- 食事の栄養バランスを考える
- 自分にあったペースで軽めに運動する
これらのポイントについて、くわしく解説します。
食事の栄養バランスを考える
産後は体の回復のために、通常よりも栄養を必要としています。母乳育児の場合はよりエネルギーが必要で、「通常時の必要摂取カロリー+360kcal」を摂取する必要があるといわれています。食事制限で痩せようとするのではなく、バランスのよい食事を取ることを意識しましょう。
とはいっても、赤ちゃんのお世話をしながら栄養バランスが整った食事を作るのは大変です。大鍋で具だくさんのスープを作るなど、手間をかけずにさまざまな食材を取り入れられる料理にすると負担が減らせるでしょう。
自分にあったペースで軽めに運動する
産後は筋肉量が落ちているので、運動を取り入れて筋力アップしたいところです。しかし、ハードなトレーニングは体に負担がかかるので、自分に合ったペースで軽めのウォーキングや筋トレなどの運動をしましょう。
ダイエットのためには1日30分程度運動するのが理想といわれていますが、1日10分程度から始めて様子を見るのがおすすめです。
出産後に体重が減少した!どうすればよい?
産後なかなか体重が減らずに悩む方がいる一方で、体重が減りすぎてしまって困る方もいます。産後に体重が減りすぎる原因として考えられるのが、以下の3点です。
- 授乳によるカロリー消費
- 疲労やストレスからくる食欲減退
- 甲状腺機能の問題
あまりに痩せすぎてしまうと、病気になったり生理の再開が遅くなったりする恐れがあります。いつもより主食を多く食べるなどして、摂取カロリーを増やしましょう。ただし、お菓子やジュースなどを大量に食べるのは避けてください。
疲労やストレスが蓄積している場合は、食事の宅配サービスなどを活用して負担を軽減するのもおすすめです。もともと痩せ~標準体型だった方で、産後に10kg以上体重が減少した場合は甲状腺機能にトラブルが生じている恐れもあるので、医師に相談してみましょう。
産後の体重変化は自分のペースで!
産後太りが気になる方は多いと思いますが、多くの場合出産を終えれば体重が落ちていきます。
ただし、妊娠中に蓄えた水分や脂肪が消費されるには時間がかかります。また、産後に食生活が乱れたり食べ過ぎたりすると太ってしまうので、焦らずに自分のペースでダイエットしてみましょう。