産後に痩せる人・痩せない人の違いとは?痩せない理由や痩せる人が気をつけていることをご紹介
産後は痩せる人と痩せない人がいます。いったいどこで差がついてしまうのでしょうか?がんばっているつもりなのに痩せない理由と、産後のママが気をつけたいポイントを紹介します。
産後に痩せる人と痩せない人の違い
まずは産後に痩せる人と痩せない人がいる理由を見てみましょう。
妊娠中に蓄えた脂肪分の量
妊娠中は赤ちゃんを守るために体脂肪が増えます。さらに、妊娠したことで食事量が増えたり、運動をしなくなったりするため、脂肪が増えやすい環境にもなります。
妊娠によって蓄えられた脂肪は、出産を終えたからといってすぐに消費されるわけではありません。残った体脂肪は運動などで燃焼されていくので、妊娠中に脂肪を多くためた人ほど痩せにくくなってしまうのです。
低下した筋肉量
思うように運動ができない妊娠中は、平常時より運動が減るために筋肉量も低下します。実は筋肉量は基礎代謝に直結しており、筋肉量が少なくなると基礎代謝も下がってしまうのです。そのため、産後はカロリーを消費しにくくなり、痩せにくくなります。
骨盤の歪みや開き具合
妊娠すると、お尻や腰まわりにある骨盤は出産に向けて徐々に開いていきます。さらに、妊娠中は大きくなったお腹を前に突き出し、腰を反るといった不自然な姿勢になりがちなので、骨盤がゆがみ、元に戻りにくくなってしまいます。こういったことも、痩せない原因となる場合があります。
女性ホルモンによるもの
女性ホルモンには、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があります。このうち、プロゲステロンは妊娠を維持するために大切なホルモンで、子宮内膜を安定させたり、食欲を増進したり、脂肪や水分を貯めこんだりする働きがあります。
産後はプロゲステロンは減少しますが、骨盤がゆがんで戻らなかった場合は、妊娠が継続していると勘違いしてそのままプロゲステロンが大量に分泌し続けることがあります。すると体がむくんで、太ったように感じてしまいます。
ストレス具合
育児が始まると、生活が大きく変わってストレスがたまりがちです。人はストレスを感じると、自律神経が乱れてしまうのをご存じでしょうか。
自律神経のバランスが乱れると血行が滞ってしまうので、体が冷えて痩せにくい体になってしまいます。また、食欲を抑えるホルモンが減少して、食欲の増進から体重増加につながることもあります。
出産方法や母乳育児なども関係
母乳か粉ミルクかで、消費エネルギーは大きく異なります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、母乳を授乳すると、1日で517kcal消費されることになるといわれています。
また、経腟分娩か帝王切開かでも痩せやすさに違いがあります。経腟分娩は、出産のために骨盤が開き、産後に元に戻りますが、一連を経て体が妊娠の終了を認識し、脂肪や水分を貯めるプロゲステロンの分泌が減少します。
一方の帝王切開は、骨盤が開かなくても出産できるため、骨盤が開いて閉じるという妊娠の終了を体が認識しにくくなります。そのため、プロゲステロンの分泌が抑えられず、太りやすい状態が続いてしまいます。
参考 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586556.pdf
痩せない人がついやっていること
産後はダイエットが大事。わかっているつもりでも、無意識のうちにしていることがダイエットを邪魔していることがあります。なかなか痩せられない人は、次の6つに心当たりはありませんか?
運動不足になりがち
育児が始まると、ママが自分の時間をとることは難しくなります。赤ちゃんに合わせた生活リズムになるので、ダイエットのための運動をするタイミングを確保しにくいかもしれません。本記事の最後に、お子さんと一緒に簡単にできる運動を紹介しているので、ぜひ試してみてくださいね。
お子さんの食べ残しを食べている
お子さんの食べ残しを食べているという方は多いのではないでしょうか?しかし、これをするとママがカロリーオーバーになってしまう可能性があります。
なるべくママが食べ残しを食べなくてもいいようにするには、お子さんの食事を少なめにしておいて、足りないときにおかわりをしてもらうのがおすすめです。もしくは、あらかじめお子さんの食べ残しを食べることを想定して、ママの食事を少なめに用意しておくのもよいでしょう。
早食いになってしまう
育児中は毎日が大忙し。お子さんが優先の生活になるので、ママの食事はついおろそかになってしまうでしょう。
気をつけたいのは、お子さんの世話をしつつ、ながら食いをしたり、家事や育児の合間に早食いをしたりすることです。食事に満足できないと、食べすぎや間食をまねいてしまいます。食べるときには、なるべくゆっくりと噛むようにし、満腹感を得られるようにしましょう。
楽な服装を選びがち
家事に育児にバタバタだったり、頻回授乳の必要があったりすると、必然的にゆったりする服を着がちになってしまいます。
また、なかなか痩せられない人は、体型をカバーする楽な服装を選びがち。しかしそれでは、自分の体型のマイナス面から目をそむけることになってしまいます。妊娠前に着ていた服を目につく場所に置き、時々は着てみましょう。自分の体型の変化を自覚できるので、ダイエットのモチベーションになりますよ。
ストレスを溜めてしまう
昼夜問わずの育児や寝不足で、ストレスが溜まっている方がほとんどでしょう。ストレスが溜まると、ホルモンバランスが乱れて脂肪が溜まりやすくなります。これは危険が迫ったときに命を守ろうとするために人間に備わっている機能ですが、いわゆる「ストレス太り」はこのホルモンの乱れによるもの。また同時に、食欲を抑える「レプチン」が満腹感を感じにくくしてしまうので、さらに太りやすくなってしまうのです。
母乳育児するだけで安心している
母乳育児はカロリーを消費するため、ダイエットに効果的です。しかし、母乳育児だけをしていれば痩せられるというわけではありません。
骨盤がゆがんだままになっているとサイズダウンは難しいですし、消費カロリー以上に食事をとっていると母乳育児によるダイエット効果は期待しにくくなってしまいます。「母乳育児をしているから、たくさん食べなきゃ」「たくさん食べても大丈夫」という考え方は危険な場合があります。
産後に痩せた人がやっていたこと
最後に、産後ダイエットに成功した人がやっていたことを紹介します。育児中でも、ひと工夫してみると痩せやすくなりますよ!
無理のない範囲で産褥体操
産褥体操は、出産直後からできる軽い運動です。疲労回復や子宮の回復などを目的としており、血流を促進したり骨盤の回復を助けたりする効果もあることから、ダイエットにも効果が期待できます。また、無理なく体を動かすことでカロリー消費もできます。
産褥体操にはさまざまなものがありますが、ここでは、寝たままできるかんたんなものを紹介します。
- 呼吸運動
1.仰向けに寝て両手を胸に当てます
2.腹式呼吸で息を吸ったり吐いたりを数回繰り返します
3.両手をお腹にあてます
4.腹式呼吸で息を吸ったり吐いたりを数回繰り返します - 骨盤運動
1.仰向けに寝て1.両手をお腹にあてます
2.両膝を立てます
3.肛門をキュッと閉めてから緩めるのを数回繰り返します
食事制限ではなくバランスのいい食生活を
産後の体を回復させるには、栄養バランスも大切です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、とくに授乳中は通常より摂取カロリーを350kcal増やすことが推奨されています。早く痩せようと食事制限をしてしまうと、便秘になったり回復が遅れたりしてしまうので、バランスの良い食生活を心がけましょう。
参考 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
子供と散歩など子育てしながら出来る運動を
痩せるには、運動をして脂肪を燃焼させるのが効果的です。育児中は思うように運動ができないと思うかもしれませんが、散歩などの際は運動のチャンスです。歩くときは、歩幅を広くし、早歩きしたほうがエネルギーの消費量が多いと言われているので、やってみましょう。
また、だっこをしながら簡単なストレッチをしたり、赤ちゃんと一緒にできるベビーヨガをやってみたりするのもおすすめです。
食べること以外のストレス発散方法を見つける
ストレスを感じるとつい甘い物を食べたくなりませんか?実際、甘いものには一時的にストレスを発散させる効果があるのですが、ストレスが溜まっているからといって、毎回食べていてはカロリーオーバーになってしまいます。
ストレスを感じたら食べるのではなく、お風呂でリラックスしたり、運動をしたり、ヨガをしたりして、ストレスを発散しましょう。このような時間を持つためにも、家族や行政のサポートがしっかり受けられるような環境を整えておくことをおすすめします。
食生活や運動不足の見直しを!
産後に痩せる人と痩せない人では、さまざまな点で違いがありましたね。運動や食事、ストレスなどは、痩せるために大事なポイントです。また、産後は骨盤がゆがみがちなので、筋肉を鍛え、骨盤を元に戻すことも大切です。無理なくお子さんと遊びながらできる運動もあるので、育児を楽しみながらスリムな体をめざしてくださいね!