産後のカフェイン摂取はNG?赤ちゃんへの影響やカフェインに代わるおすすめ飲み物を紹介
妊娠中に控える方が多いカフェインですが、産後も授乳中は避けたほうがよいのかと悩む方もいるでしょう。そこで今回は、授乳中のカフェイン摂取と赤ちゃんへの影響などについて解説します。
授乳中のカフェイン摂取はNG?
「授乳中はカフェインの摂取を控えるべき」という話と「少しくらいなら大丈夫」という2つの話を耳にしたことがある方は多いでしょう。実際のところ、どちらが正しいのでしょうか。まずは授乳中のカフェイン摂取について解説します。
適量であれば摂取しても問題はなし
妊娠中はカフェインを控える方が多いですが、実は妊娠中でも摂りすぎに注意すればカフェインを摂取しても大丈夫だといわれています。
日本国内では、妊娠中のカフェイン摂取のリスク評価が実施されていません。しかし、世界保健機関(WHO)や欧州食品安全機関(EFSA)などの海外の機関は、妊娠中のカフェイン摂取について下記のような基準を提示しています。
- WHO:300mg以下/日
- EFSA:200mg以下/日
- カナダ保健省:300mg以下/日
授乳中も同様で、1日200~300mg以下に抑えれば、カフェインを摂取しても問題ないとされています。
授乳直前に摂取するのは控える
授乳中でも適量であればカフェインを摂取しても問題ないといわれていますが、授乳直前の摂取は控えましょう。カフェインは摂取から30~60分で血中濃度がピークに達するといわれており、母乳にもカフェインが含まれやすくなります。
時間が経てばカフェインが代謝されて血中濃度が下がるので、カフェインを摂るなら授乳直後がおすすめです。
カフェインが赤ちゃんに与える影響
先述のとおり、ママがカフェインを摂取すると母乳にカフェインが含まれます。つまり赤ちゃんもカフェインを摂取することになるわけですが、問題はないのかと不安に感じる方もいるでしょう。そこで、カフェインが赤ちゃんに与える影響についても解説します。
赤ちゃんはカフェインの分解に時間がかかる
ママがカフェインを摂取すると、その1%ほどが母乳に含まれるといわれています。そのため、コーヒーを1杯飲んだ程度なら、赤ちゃんに大きな影響は出ないと考えられています。
しかし、カフェインを含む飲み物や食べ物はコーヒー以外にもいろいろあり、気づかないうちにカフェインを多量に摂取していることがあります。
赤ちゃんはカフェインへの耐性が低く、分解にも時間がかかるため、ママのカフェイン摂取量が多いと赤ちゃんに影響が出る恐れがあります。
赤ちゃんが寝ない、情緒不安定になるなど悪影響も
カフェインには血管を収縮させたり、神経を興奮させたりといった作用があります。適量であれば集中力アップや眠気覚ましなどに役立ちますが、過剰摂取するとイライラする、不安を感じる、不眠になるなどの症状が出る場合があります。
そのため、ママがカフェインを摂りすぎると、赤ちゃんが興奮して落ち着きがなくなることがあります。なかなか寝ない、情緒不安定になってやたらと泣くなどの悪影響が出るケースもあるので、カフェインの摂取量には注意が必要です。
カフェインを含む飲み物・食べ物
授乳中にカフェインを摂りすぎると、赤ちゃんが寝ない、落ち着かないなどの影響が出る恐れがあります。カフェインが含まれていると気づかずに摂取していることもあるので、どの食品にカフェインが入っているのかを把握しておくことが大切です。
ここでは、カフェインが含まれている代表的な飲み物や食べ物を紹介します。
コーヒー・紅茶・緑茶など
コーヒーにカフェインが含まれていることを知っている方は多いと思いますが、紅茶や緑茶などにもカフェインが含まれていることはご存知でしょうか。コーヒーやお茶のカフェイン含有量は以下の通りです。
名称 | カフェイン含有量(100mLあたり) |
コーヒー(抽出液) | 60mg |
紅茶 | 30mg |
玉露 | 160mg |
煎茶 | 20mg |
ほうじ茶 | 20mg |
玄米茶 | 10mg |
ウーロン茶 | 20mg |
ジャスミン茶 | 20mg |
上記のとおり、玉露はコーヒーよりもカフェイン含有量が多いため注意が必要です。また、ほうじ茶や玄米茶にもカフェインが含まれています。
カフェインと関連がなさそうに見えるジャスミン茶も、実は緑茶にジャスミンの花の香りをつけたものでありカフェインが含まれているので、摂取量に注意しましょう。
栄養ドリンク・コーラ
産後に疲労感を覚え、栄養ドリンクを飲む方もいるかもしれません。しかし、栄養ドリンクはカフェインが含まれているものが多いので、飲みすぎないよう注意しましょう。
コーラやエナジードリンク、眠気覚まし用のドリンクなどもカフェインを含む飲み物です。とくにエナジードリンクや眠気覚まし用のドリンクはカフェイン含有量が多い傾向にあり、なかには100mlあたり300mgほどのカフェインを含んでいる商品もあります。
エナジードリンクや眠気覚まし用のドリンクを飲むと、すぐにカフェインの適量を超えてしまう可能性が高いので、できれば避けたほうがよいでしょう。
チョコレートやココア
チョコレートやココアにもカフェインが含まれています。
名称 | カフェイン含有量(100gあたり) |
ミルクチョコレート | 20mg |
ダークチョコレート(カカオ70~85%) | 80mg |
ココアパウダー(脂肪分23%) | 200mg |
なお、ココアパウダーをそのまま摂取することはまずないので、実際のカフェイン摂取量は上記よりも少なくなると考えられます。
とはいえカフェインが含まれることに変わりはないので、授乳中はチョコレートやココアも摂りすぎないようにしましょう。
カフェインを含む飲料に代わるおすすめの飲み物
少しだけなら大丈夫だといわれても、できれば授乳中はカフェインを避けたいという方もいるでしょう。そこで、カフェイン飲料に代わるおすすめの飲み物を紹介します。
デカフェコーヒー
デカフェコーヒーとは、コーヒーからカフェインを取り除いた飲み物を指します。
デカフェが登場した当初は「味が薄い」「コクがない」などの声もありましたが、最近はコーヒーと遜色ない味わいのものも増えているため満足できるでしょう。
たんぽぽコーヒー
コーヒーに近い味わいを楽しみたいなら、たんぽぽの根っこを焙煎して作られた、たんぽぽコーヒーもおすすめです。コーヒーっぽい味を感じられるだけでなく、むくみ改善や腸内環境改善、血行促進などの効果が得られるといわれています。
麦茶やはと麦茶
食事中などにお茶を飲みたい場合は、麦茶やはと麦茶を選ぶとよいでしょう。紅茶や緑茶にはカフェインが含まれていますが、 麦茶やはと麦茶はノンカフェインなので授乳中でも安心です。
ただし、麦茶やはと麦茶には体を冷やす作用があるので、やはり飲み過ぎないよう注意する必要があります。
黒豆茶やあずき茶
黒豆茶やあずき茶も、カフェインを含まない飲み物です。いずれも血行をよくする効果があるといわれており、むくみ対策にも役立ちます。
摂取量に気をつけてリラックスタイムを設けよう!
授乳中であっても、摂取量に気をつければカフェインを摂取しても問題ないといわれています。コーヒーや紅茶が好きなら、リラックスタイムに1杯だけ楽しむなど、うまく生活に取り入れましょう。
ただ、赤ちゃんへの影響もゼロとは言えないため、どうしてもカフェインが気になる場合は、デカフェコーヒーやたんぽぽコーヒーなどのノンカフェインのドリンクを選ぶのがおすすめです。麦茶や黒豆茶などの選択肢もあるので、自分の好みに合うものを探してみましょう。