産後のナプキンって?生理用ナプキンとの違いや使い始める時期についてご紹介
これから出産を控えていて、入院準備に追われているという方もいるのではないのでしょうか?準備のときに疑問に思うことの一つが、産後のナプキンやお産用パッド(産褥パッド)について。
この記事では、産後のナプキン「お産用パッド」の必要性や選び方、使用中の注意点などについて詳しく解説します。
産後のナプキン「お産用パッド」とは?
産後には、お産用パッド(お産パッド)や産褥パッドと呼ばれる専用のナプキンが必要になります。
詳しくは後述しますが、出産直前や産後は破水や悪露など、膣からさまざまな分泌物が出ることがあるため、漏れないように対応する必要があるためです。
生理用ナプキンとの違いは大きさ・吸収力・肌ざわり
お産用パッドも生理用ナプキンもつくりはほぼ同じですが、お産用パッドは、生理用ナプキンに比べてサイズが大きく、厚さがあって吸収力も高く、肌ざわりがよい傾向にあるというのが特徴です。
破水や悪露は生理の経血に比べて大量であることが多いため、サイズが大きく、吸収力が高いというのは重要なポイントです。お産用パッドは、生理用ナプキンによく使われている高吸収ポリマーだけでなく、粉砕パルプなどが組み合わさって吸収力が高くなっているものが多いです。
また、産後の陰部はとてもデリケートな状態になっています。出産の際に負担がかかり、裂けたり、会陰切開したり、縫ったりしていることも多いため、お産用パッドの素材は厚みがあり、クッション性が高く、やわらかで肌触りがよいことが一般的です。吸収力が高いことも、さらっとした着け心地につながっています。
お産用パッドはなぜ必要?
夜用の生理用ナプキンなどであれば、お産用パッドの代わりに使えるのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、破水や悪露の水分量はかなり多いです。
破水してしまった場合、多い方では800ml以上もの羊水が出ることがあります。また、悪露は1ヶ月程度続くこともあり、初期の頃は特に大量に血液や分泌液が出ます。ときには生理の10倍もの量になることもあるため、生理用ナプキンでは吸収しきれないこともあるでしょう。そのため、生理用ナプキンではなく、大きくて吸収力も高い専用のお産用パッドが必要となります。
お産用パッドはいつ使う?
お産用パッドは早くて出産直前(破水時)から使い始めます。いつまで使うかには個人差があり、3日程度で使用をやめる方もいれば、1ヶ月程度使う方もいます。詳しくは以下の通りです。
出産前後に使い始める
お産用パッドは、出産直後に使い始めることが多いです。産後の処置の際に、看護師さんなどの医療スタッフがつけてくれることも多いでしょう。
また、出産前に破水してしまった場合は、破水した時点で使い始め、お産用パッドをつけた状態で病院に向かうという方もいます。
使用期間は3日程度~1ヶ月程度まで個人差あり
お産用パッドをいつまで使うかには個人差があります。出血や悪露がいつまで続くかに個人差があるためです。中には3日程度でおおむね出血がおさまる方もいますが、一方で1ヶ月ほど出血が続く方もいます。
そのため、少なくとも入院中は毎日つけるつもりで準備したほうがよいでしょう。S・M・Lサイズを1パックくらいずつ用意しておくのがおすすめです。
なお、お産用パッドは出血がおさまるまでつけておいたほうがよいですが、出血量が少ない方の中には、途中から生理用ナプキンに切り替える方もいます。
お産用パッドの使い方
お産用パッドのつけ方は生理用ナプキンとほとんど同じで、下着の内側に貼り付けるだけです。生理用ナプキンに比べて大きく、Lサイズはお尻まで隠れるほどのサイズなので、下着から変にはみ出したり、バランスが悪くなったりしないように、上手に下着に合わせてつけましょう。
なお、最初の頃は悪露の出方などを見るために、看護師さんなどの医療スタッフがお産用パッドを交換してくれることも多いです。その際は、産褥ショーツ(お産用ショーツ)を開いておむつのように交換してくれることが一般的です。
お産用パッドの選び方
お産用パッドはさまざまなメーカーから販売されているため、どれにすればよいかわからない、と悩む方も多いでしょう。ここからは、選び方のポイントについてご紹介します。
なお、病院で指定のお産セットが決まっていたり、お産セットがもらえたりすることがあります。通常、お産セットの中にはお産用パッドが入っているので、確認しておきましょう。
お肌に優しい素材
お産用パッドは産後しばらくの間つけることになるため、着け心地はとても大事。お肌に優しい素材を選びましょう。
コットンや不織布を使ったものなどもあるため、自分の肌に合ったものを選びましょう。むれ、かぶれ予防のために、通気性の高いものを選ぶことも大事です。
もれやズレを防ぐ機能性の高いもの
もれが気になる方は、立体ギャザーがついていて体にフィットしやすかったり、前後の幅が大きく、前もれや後ろもれがしにくいものを選ぶのがおすすめ。また、ズレが気になる方は、羽根つきのものを選びましょう。
悪露の量によって使い分けを
悪露の量は、時期によって、そして人によって異なります。ただ、特に量が多いのは産後2~3日程度なので、この時期は主にLを使い、徐々に日中はMにするなど切り替えていくとよいでしょう。
そして、悪露の量が落ち着いたらSに切り替え、状況に応じて生理用品に切り替えていくなど、悪露の量や使いやすさなどを考えてサイズを選びましょう。
産褥ショーツも併せて使う
お産用パッドと併せて必要となるのが産褥ショーツ(お産用ショーツ)です。股の部分がマジックテープなどになっていて開閉するので、寝たまま産褥パッドやショーツを取り替えてもらうこともできるつくりになっています。下着をおろさなくてもパッドの取り換えや診察を受けることができるので、会陰切開や帝王切開で傷のある下腹部に優しいというメリットもあります。
また、防水タイプの布が使われていて、パッドから悪露などがもれてしまっても、ショーツである程度受け止めてくれるものもあります。
お産用パッドで痒みやかぶれてしまった場合の対処法
生理用ナプキンでかぶれるのと同じように、お産用パッドでも、痒みが出たり、かぶれてしまったりすることがあります。ホルモンの影響で肌が敏感になっているため、いつも以上に注意が必要です。
痒みやかぶれの予防・改善のためには、肌に合う商品を使い、こまめに交換すること、デリケートゾーンを清潔に保つことなどが大事です。また、症状がひどい場合は主治医などに相談しましょう。詳しくは以下の通りです。
お肌に合う商品を見つける
前述の通り、肌に負担になりにくく着け心地のよい素材や、通気性の高いものを選ぶことで、痒みやかぶれの予防につながります。
痒み、かぶれを抑える工夫をしたものもあるため、かぶれやすい方は素材を重視して選んでみてください。
お産用パッドの交換はこまめに
産後のデリケートゾーンは傷があることも多く、とても敏感になっています。また、悪露は経血よりも雑菌が繁殖しやすいため、傷が化膿する原因にも。化膿やかゆみ、かぶれなどを防ぐために、生理の時以上にこまめに交換する必要があります。
少なくとも、トイレに行ったら必ず交換するようにしましょう。
デリケートゾーンは清潔に
産後のシャワーは、経腟分娩であれば出産翌日から、帝王切開であれば、状態に応じて産後2~3日頃から可能となります。それまでは看護師さんなどが体を拭いてくれますが、自分でデリケートゾーンを洗えないのは気になるものですよね。
そこで役立つのが清浄綿です。清浄綿は、精製水や、そこに少量の消毒薬を染み込ませた医療用脱脂綿のこと。柔らかく、デリケートゾーンへの負担も少ないのが特徴。1回分ずつが滅菌されて個包装になっているものが多く、清潔な状態で使用できます。お産セットに入っていることも多いです。
トイレの際などに清浄綿を使ってデリケートゾーンをふき取ってあげましょう。
また、シャワーができるようになったら、よく泡立てた石けんでやさしく洗ってあげましょう。トイレの際は、ビデやウォシュレットを使うのもおすすめです。
痒みやかぶれがひどい場合は医師に相談を
痒みやかぶれがひどい場合は、医師に相談しましょう。場合によっては、デリケートゾーンの傷が化膿し、ひどくなることもあるので、少しでも違和感を感じたら、放置しないことが大事です。
お産用パッドを正しく使って心地良く過ごそう!
産後は悪露などでデリケートゾーンが不快かつつらい状態が続きますが、少しでも心地よくなるよう、肌に合ったお産用パッドを選びましょう。一緒に使うお産用ショーツの準備も忘れずに。
また、お産用パッドの使用時はこまめに交換し、デリケートゾーンを清潔に保つことも心がけましょう。