妊娠線ってなに?
妊娠線ってなに?
妊娠線とは、大きくなるおなかなどにできるスイカの縞模様のような線状のすじのこと。出来たばかりの妊娠線は、赤紫やピンク色をしています。その後時間とともに黒ずみ、最終的には白っぽい線のようになっていきます。出産してお腹の大きさがもとに戻っても、この妊娠線は完全に消えることはないのです。
妊娠線の原因を知ってしっかり予防していきましょう。
妊娠線はどこにできるの?
妊娠線ができるのはおなかだけではありません。妊娠線は皮下脂肪が多いところにできやすいのです。太ももやお尻、二の腕などにも表れます。おなかは妊娠線の予防のケアをしていたのに、太ももやおしりに妊娠線ができていた、なんてケースも。妊娠初期からしっかり全身のケアをしていきましょう。
妊娠線はなぜできる?
妊娠線ができる原因として考えられるものの一つに、妊娠による体型の変化に伴い急激に皮膚が引き伸ばされることによりダメージを受けることが挙げられます。皮膚は、表面から表皮、真皮、皮下組織が層になっています。皮膚が急激に引き伸ばされると、真皮層を構成している繊維が裂けてひび割れが生じます。真皮層でのダメージが表皮に現れてしまったものが肉割れであり、妊娠によって生じた肉割れが妊娠線です。
もう一つ妊娠線ができる原因として、妊娠によって体内に増加するステロイドホルモンが影響していることが挙げられます。ステロイドホルモンには、肌のターンオーバーを抑える作用があります。この作用により肌の弾力を保つ働きが弱くなり、断裂が起こりやすくなると言われています。
妊娠線は必ずできるわけではなく、体格や体質、赤ちゃんの大きさ、特に腹部の筋肉量によってできやすい場合とそうでない場合があります。しかし、実際には妊婦さんの半数にできると言われています。
妊娠線はいつからできる?
妊娠線は体型変動が大きい中期以降に起こりやすいとされています。 特に妊娠7ヶ月以降は1ヶ月に500g近く赤ちゃんが大きくなっていくことも。おなかが急に大きくなるため、それまで妊娠線ができておらず油断していて、出産間際に妊娠線ができたという先輩ママも大勢います。
妊娠線の予防はできる?
一度できてしまうと、完全に消えることのない妊娠線。
妊娠線のケアで大切なのは保湿です。皮膚が乾燥して伸びにくい状態だと妊娠線はできやすくなります。妊娠初期からオイルもしくはクリームでしっかり保湿し妊娠線予防をしていきましょう。オイルとクリームの違いは成分。ほとんど油分のみのシンプルな配合のオイルに対して、クリームは商品によって油分や成分の割合が異なります。
保湿力はしっかりほしいけど、オイルは苦手・・・というママもいると思います。特に、夏場の妊婦さんだと汗もかくのでベタつくオイルはなるべく使いたくない、なんてことも。ベタつくのが嫌な人はクリームで保湿したり、朝はクリーム、夜はオイルとクリームなど時間や好みによって使い分けていきましょう。
大事なことは乾燥させないこと。自分に合ったクリームやオイルで丁寧に保湿しましょう。
監修:産婦人科医 宗田聡先生
筑波大学卒業後、同大学へ産婦人科医師として勤務。その後、海外の大学への派遣や、周産期センター長を経て、現在は医療法人HiROO理事長・広尾レディース~恵比寿本院~の院長を務める。「誰にでもいいお産を味わってもらいたい」という思いで、妊婦さんや出産をはじめ女性医療と真摯に向き合っている。