logo ツバメの巣が風邪に効果的?科学的に明らかに

東南アジアの一部に棲むアナツバメが唾液で作り上げる「ツバメの巣」。中華の高級食材のひとつですが、古くから美容や健康に良いとして重宝されており、風邪の予防にも効果的だといわれています。

今回は、なぜツバメの巣が風邪の予防によいとされているのか、その理由を解説します。

ツバメの巣が免疫力を向上させる!

風邪とは、鼻や口からウイルスが侵入したことが原因で、上気道(鼻から喉の奥、食道の入り口まで)の粘膜が炎症を起こす呼吸器の感染症です。風邪にかかると、発熱、咳や鼻水、喉の痛みなどの症状が出ます。

そんな風邪を予防するには、免疫力を上げることが重要です。そして、ツバメの巣には免疫力を活性化させる成分が含まれており、風邪の予防に役立つと考えられています。 ここでは免疫の働きや、ツバメの巣がもつ免疫力を活性化させる成分などについて、くわしく解説します。

そもそも免疫とは?

免疫とは、ウイルスや細菌などの外敵の侵入防止、侵入してしまった外敵の排除などのために体に備わっている機能です。

「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があり、外敵が侵入した際には、まず自然免疫が外敵を攻撃します。その後、獲得免疫が抗体を作り外敵の排除を行い、再度同じ外敵が来た場合に速やかに対処できるよう準備するという仕組みになっています。

・自然免疫:人間が生まれつきもっている免疫
・獲得免疫:病原菌の感染などをきっかけに、あとから追加される免疫

このように、免疫は人間が健康に生きるために欠かせない機能なのですが、加齢や体温の低下(冷え)、不規則な生活、運動不足などが原因で働きが弱くなってしまいます。免疫の働きが弱まると、外敵に対する抵抗力が低下するため、風邪などの病気にかかりやすくなります

シアル酸が免疫活性化効果を持つ!

参照 https://mstyle-j.co.jp/tsubame-lab/science-lab/sciencelab01

病気から体を守るには、免疫機能が正常に働くようにする必要がありますが、ここで役立つのが「シアル酸」です。シアル酸とは細胞の表面などに存在する「糖鎖」を構成する成分の一種で、細胞同士の情報伝達やサイトカイン(免疫細胞が情報のやり取りのために分泌するたんぱく質)の取り込みなどの役割を担っています。

そんなシアル酸には、免疫細胞のB細胞とT細胞の働きを活性化させる効果もあると考えられています。B細胞とは、病原菌に対抗するための抗体を作り出す役割をもつ免疫細胞です。

T細胞は免疫の司令塔ともいわれる免疫細胞で、ほかの免疫細胞に指示を出して働かせる、病原菌に感染した細胞を破壊するといった役割をもっています。シアル酸はこれらの免疫細胞を活性化させ、体内に侵入する外敵への攻撃力を上げると考えられています。

そして、ツバメの巣にはシアル酸が100gあたり約10,000mgも含まれているため、日々の生活にツバメの巣を取り入れると風邪の予防に役立つといわれているのです。

シアル酸がバイ菌の自滅を助ける!

シアル酸は細胞同士の情報伝達だけでなく、アポトーシスに関わっていることもわかっています。アポトーシスとは、簡単にいうと細胞が自滅することです。

細胞には、古い細胞を新たな細胞に置き換えて体をよりよい状態で維持するために、一定期間経ったら自動的に死亡するプログラムが備わっています。この細胞に遺伝的に組み込まれているプログラムのことを、アポトーシスと呼ぶのです。

シアル酸は、炎症性サイトカイン(炎症反応を促すサイトカイン)にさらされた細胞のアポトーシスを誘導し、病原菌が自滅するのを助ける役割があるといわれています。

インフルエンザ感染の抑制にも!

ツバメの巣は、インフルエンザ予防にも役立つと考えられています。インフルエンザウイルスに感染した細胞を使った実験で、ツバメの巣の抽出物が ウイルスと結合して感染を阻害するとの結果が出たためです。この効果もツバメの巣に含まれるシアル酸によるものだと考えられています。

また、インフルエンザも風邪と同様に鼻や喉から感染しますが、唾液の分泌量が多いと上気道のバリア機能が高まるため、ウイルスが感染しにくいといわれています。

シアル酸には唾液の分泌量を増やす効果があるうえに、唾液中でウイルスを吸着するトラップとなって感染を抑制する働きがあります。そのため、シアル酸を多く含むツバメの巣は、インフルエンザの予防に効果的だと考えられているのです。

ツバメの巣は天然物と養殖がある!

風邪やインフルエンザ予防のために、ツバメの巣を使った料理を毎日食べるのは難しいですが、健康食品であれば気軽に取り入れられます。サプリメントやドリンク、ゼリーなどいろいろなタイプがあるので、取り入れやすいものを選ぶとよいでしょう。

ツバメの巣を使った健康食品を購入する際に注意したいのが、天然物と養殖物のどちらが使われているのかということです。

ツバメの巣には、アナツバメの生息地で採取された天然物と、アナツバメを生息地とは異なる場所におびき寄せて作られた養殖物、そもそもツバメの巣ですらない偽物も流通しています。偽物は論外ですが、養殖物よりも天然物のほうがウイルスを攻撃する力が強いとの研究結果があるのです。

また、養殖物は排気ガスなどで汚染されていることもあるため、天然物のツバメの巣を使った商品を購入することをおすすめします。

ツバメの巣で風邪に負けない体に!

ツバメの巣に含まれるシアル酸には、免疫細胞のB細胞とT細胞の働きを活性化させるなど、免疫機能の向上に良い効果が期待できます。また、病原菌のアポトーシス(自滅)にも関わっているとされています。

風邪だけでなく、インフルエンザ感染の抑制にも効果が期待できるという研究結果があるため、日々の生活にツバメの巣を取り入れて、風邪に負けない体を作りましょう。

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