logo シアル酸は食べ物からも摂取できる?美容と健康のために取り入れたい食品を紹介

美容効果や健康効果が期待できるといわれているシアル酸。実はサプリや美容ドリンクだけでなく、食事からも摂取できるんです。本記事では、シアル酸を含む食べ物やシアル酸の働きについて解説します。

シアル酸は食べ物から取り入れられる

サプリメントや美容ドリンクなどに含まれていることがあるシアル酸ですが、食べ物から取り入れることもできます。

サプリメントや美容ドリンクだと継続が難しい場合は、シアル酸を多く含む食べ物を、日々の食事に取り入れるのがおすすめです。

シアル酸を多く含む食べ物とは?

シアル酸を含む食べ物はいろいろありますが、なかでも以下の食べ物はシアル酸を多く含んでいます。

アナツバメの巣:10,000mg(100gあたりの含有量。以下同)
ローヤルゼリー:50㎎
牛乳:20.6㎎
鶏卵:50㎎
など

これらの食べ物の特徴やシアル酸含有量などについて、下記にてくわしく見ていきましょう。

アナツバメの巣

中華料理の高級食材として知られるアナツバメの巣のシアル酸含有量は100gあたり10,000mgで、もっともシアル酸を含んでいるといわれる食べ物です。

日本で見かけるツバメは枯葉や泥などを使って巣を作りますが、アナツバメはほぼ唾液のみで巣を作ります。真っ白な美しい巣は栄養豊富で、古くから美容や健康によい食べ物といわれており、楊貴妃が好んで食べていたとの話もあります。

ローヤルゼリー

ローヤルゼリーのシアル酸含有量は100gあたり50mg程度で、ツバメの巣には及ばないものの、食べ物のなかではシアル酸が多いとされています。

ローヤルゼリーを蜂蜜だと思っている方もいるのですが、できるまでの過程も、見た目や味も蜂蜜とは大きく異なります。

蜂蜜は働き蜂が蓄えた花の蜜が、蜂の巣の内部で濃縮・熟成されたもので、成分のほとんどが糖質です。一方、ローヤルゼリーは、働き蜂が花粉や蜂蜜などを食べて体内で合成する分泌物であり、シアル酸をはじめ40種類以上の栄養を含むといわれています。

牛乳や鶏卵など

身近な食べ物でいうと、牛乳や鶏卵などにもシアル酸が含まれています。牛乳のシアル酸含有量は100gあたり20.6mg程度、鶏卵のシアル酸含有量は100gあたり50mg程度です。やはりツバメの巣のシアル酸含有量と比較すると少ないですが、手軽に手に入るため、毎日の食事に取り入れやすいでしょう。

なお、鶏卵のシアル酸は、取り除いてしまう方も多い「カラザ」に多く含まれています。カラザが苦手な方は無理をする必要はないと思いますが、シアル酸の摂取が目的なら、カラザを取り除かずに食べたほうがよいでしょう。

シアル酸は野菜や植物には含まれない

シアル酸に分類される成分は50種類以上あり、人間はもちろん、豚やネズミなど多くの生物が何らかのシアル酸をもっているといわれています。さらには魚やイカ、ウナギの粘膜、ニジマスの未受精卵、細菌などからもシアル酸が見つかっているのです。

しかし、野菜や植物からはシアル酸が見つからないことから、植物由来のシアル酸は存在しないと考えられています(2023年時点)。

シアル酸とはどのような成分?

シアル酸が美容や健康によいと聞いたことはあっても、具体的にはどのような成分なのかを知らない方もいるでしょう。ここでは、シアル酸の特徴や役割などについて解説します。

シアル酸は細胞表層の糖鎖末端に存在する単糖

参照 https://mstyle-j.co.jp/tsubame-lab/science-lab/sciencelab01

シアル酸は、細胞を覆っている「糖鎖」という物質の末端に存在する単糖(炭水化物の最小単位)です。

糖鎖とは、シアル酸やグルコース、ガラクトースなどの単糖が、鎖のように繋がった物質のことです。糖鎖は糖脂質や糖たんぱく質などとして、細胞の表面を覆い、細胞や免疫に関わるさまざまな役割をこなしています。

シアル酸はヒトの唾液や母乳に含まれている

細胞を覆う糖鎖の一種であるシアル酸ですが、ヒトの唾液や母乳にも多く含まれています。そもそも「シアル酸」という名称は、唾液を意味する「saliva」から名付けられました。1931年に、牛の唾液腺ムチンからシアル酸が分離され、取り出されたことが理由です。

唾液中のシアル酸の役割についてはあまり解明されていませんが、ウイルス感染を抑制する効果があると考えられています。

たとえば、インフルエンザウイルスは、感染する際に糖鎖の末端にあるシアル酸を狙ってきます。しかし、唾液中にある「結合型シアル酸」が、インフルエンザウイルスを吸着して感染を邪魔するといわれているのです。

ただし、人によって唾液の量や、唾液中の結合型シアル酸の量が異なるため、感染抑止効果にも差があると考えられています。

また、母乳中のシアル酸も、乳児をウイルスなどの外敵から守っているといわれています。母乳のうち、もっともシアル酸含有量が多いのが新生児が飲む初乳で、以降は少しずつシアル酸含有量が低下していくことから、このように考えられています。

シアル酸は細胞間の情報伝達やレセプターなどの役割を果たす

糖鎖の末端にあるシアル酸は、体内の細胞が増殖したり分化したりする際の情報伝達係やレセプター(ホルモンや抗原などの因子と結合する受容体)として働いています。

また、免疫の調整・活性化や体内の酸化防止などにもシアル酸が関わっているとされており、生物の生命活動に欠かせない重要な成分です。シアル酸を作るための酵素を欠損させたマウスは、胎児の状態で死亡してしまうとの実験結果もあります。

シアル酸は牛乳や卵など身近な食べ物にも含まれる

美容と健康によいとされるシアル酸は、細胞間の情報伝達や免疫調整など、生命活動に関わる重要な成分です。アナツバメの巣やローヤルゼリー以外に、牛乳や鶏卵などの身近な食べ物からでも摂取できます。

サプリメントや美容ドリンクなら、より手軽にシアル酸を摂取できますが、継続が難しい場合は日々の食事にシアル酸を多く含む食べ物を取り入れてはいかがでしょうか。

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