産後ダイエットはいつから始めていい?おすすめのダイエット法や注意点をご紹介
妊娠中に増えた体重は、出産を終えたからといってすぐに減るわけではありません。お腹がへこむのにも時間がかかりますが、すぐにでもダイエットを始めて元の体に戻したいと思う方もいるでしょう。しかし、産後すぐにダイエットを始めてもよいのでしょうか。
今回は、産後ダイエットを始めてもよい時期やおすすめのダイエット方法、産後ダイエットの注意点などについて解説します。
産後ダイエットはいつから始める?
産後の体には出産時のダメージが残っています。また、母乳育児の場合は授乳でも体力を消耗するため、すぐにダイエットを始めるのはおすすめできません。
それでは、いつからなら産後ダイエットを始めてもよいのでしょうか。まずは産後ダイエットを始めるタイミングについてみていきましょう。
出産直後の産褥期は控える
出産直後から、産後6~8週間くらいまでの期間を「産褥期(さんじょくき)」といいます。この期間中は、出産時のダメージやホルモンバランスの乱れによって、下記のようなさまざまな症状が現れます。
- 外科的処置(会陰切開・帝王切開など)による傷の痛み
- 産褥熱(感染症による38度以上の高熱)
- 悪露(おろ)
- むくみ
- 抜け毛
- 便秘
- イライラや落ち込みなどの精神症状 など
このような症状が出ている状態で無理をすると、体の回復が遅れたり体調を崩したりするおそれがあります。そのため、産褥期の間はダイエットを控え、できるだけ安静にして体を回復させることに集中することが大切です。
産後の体力回復についてはこちら
産後の母体の変化や過ごし方についてはこちら
産後2〜3ヶ月を目安に自分のペースで始める
産後2~3ヶ月ほど経つと、かなり体が回復してきます。また、この時期は「ボディリターン期」といわれ、オキシトシンという、ストレス軽減や脂肪燃焼、食欲抑制作用をもつホルモンが分泌されて痩せやすい状態になります。そのため、産後ダイエットを始めるなら、産後2〜3ヶ月からがおすすめです。
なお、産後6ヶ月ほど経つと、脂肪を蓄積させて女性らしい丸みのある体を作るエストロゲンというホルモンが分泌され始めるため、産後6ヶ月を過ぎる前にダイエットを開始したほうがよいでしょう。ただし、無理は禁物なので、体調などと相談しながら無理のない方法でダイエットに取り組みましょう。
産後ダイエットのおすすめ方法:食事
産後ダイエットで重要なのは、体に余計な負担をかけないことです。ダイエットというと食事制限を思い浮かべる方も多いと思いますが、産後の体は回復や授乳のために多くの栄養を必要としています。安易に食事制限をするのではなく、食事の内容を工夫してみましょう。
具体的にはどのような食事を取ったらよいのか、産後ダイエットにおすすめの食事について解説します。
洋食より和食中心に
産後ダイエットを成功させたいなら、和食中心の食事を取るよう心がけましょう。洋食や中華などのメニューは、脂質が多くなりがちです。一方、和食は高たんぱく・低カロリーなメニューが多いため、無理な食事制限をしなくても摂取カロリーを減らせます。
食事制限はせずバランスの良い食事を
産後の体はさまざまな栄養を必要としているので、食事制限をするのは避けて、いろいろな栄養素をバランス良く摂取しましょう。
ダイエットしたいからといって、脂質を制限しすぎるのもよくありません。脂質の摂取量を減らしすぎると、肌荒れや便秘などの症状が出やすくなります。オリーブオイルやアボカドなどで、良質な油を摂取しましょう。
産後ダイエットのおすすめ方法:運動
産後の体は妊娠中に運動が制限されること、出産時に骨盤周りの筋肉が緩むことなどが原因で、筋力が低下しています。体を引き締めるためには、運動を取り入れて筋力アップに努めることも重要です。ここでは、産後ダイエットにおすすめの運動を紹介します。
骨盤矯正のためのストレッチ
出産時には骨盤が大きく開くことから、周囲の筋肉や靭帯がダメージを受けます。すると骨盤が不安定になって、歪んでしまうことがあります。
骨盤が歪むと、内臓が下がったり血行が悪くなったりして痩せにくくなるため、骨盤矯正のストレッチを行いましょう。骨盤矯正のストレッチはいろいろありますが、「お尻歩き」が簡単なのでおすすめです。
1.両足を伸ばした状態で座る
2.左右のお尻を交互に動かして前進する
3.左右のお尻を交互に動かして後進する
腹筋に力を入れて、お尻を持ち上げるようにしながら移動すると効果的です。
骨盤底筋群トレーニング
出産では骨盤底筋群(骨盤の底に位置する筋肉の総称)も大きなダメージを受けますが、これらの筋肉がダメージを受けると腰痛や尿漏れなどのトラブルが起こりやすくなります。体型も崩れやすくなるので、骨盤底筋群を鍛えるトレーニングも取り入れましょう。
手軽にできる骨盤底筋群トレーニングとして、以下の方法があります。5回×1セットを1日2回ほど行いましょう。
1.膝を立てた状態で仰向けになる
2.両手の平をおへその下あたりに置く
3.息を吐きながら、トイレを我慢するときのようなイメージで骨盤底筋に力を入れる
4.息を吐き切ったら、自然に息を吸い込みながら骨盤底筋の力を抜いて緩める
お腹を意識した腹筋運動
ぽっこりお腹対策として、腹筋を鍛えるのもおすすめです。ただし、通常の腹筋は産後の体に負担をかけてしまいます。 とくに産褥期はあまり体を動かさないほうがよいので、産褥体操などの産後向けのストレッチから始めましょう。
体が回復してきて健診で問題がないと判断されたら、軽めの腹筋を取り入れても大丈夫です。
1.膝を立てた状態で仰向けになる
2.お腹を覗き込むイメージで、息を吐きながら上半身を持ち上げる
3.腰の骨から1つずつ下ろしていくイメージで、上半身を元に戻す
ウォーキング
産後1ヶ月ほど経ち、健診でもとくに問題がないと判断されたらウォーキングを始めてみるのもよいでしょう。有酸素運動であるウォーキングは、血行を促進したり脂肪を燃焼したりするのに役立ちます。
ただし、ジョギングなどの負荷が高い運動は、産後3~6ヶ月ほど経ち、問題がないと判断されるまでは行わないようにしましょう。
産後ダイエットの注意点
ここでは、産後ダイエットを始めるにあたって注意したいポイントを紹介します。
体と相談しながら無理のない範囲で
産後の体は、交通事故に遭ったのと変わらないほどのダメージを受けているといわれています。回復具合は人によって異なるので、常に自分の体と相談しながら無理のない範囲でダイエットしましょう。
とくに運動は体に負荷がかかるので、健診のときなどに医師に相談し、問題ないと判断されてから実施することが大切です。
自分に合った目標設定を
SNSなどで「産後〇ヶ月で10kg減」などの情報を見ることもあるでしょう。しかし、それにつられて無理な目標を立てると、長続きしなくなってしまいます。頑張りすぎた結果、体調が悪化するおそれもあるので自分に合った目標設定を行いましょう。
体に支障をきたさない産後ダイエットを心がけよう!
産後の体は多くのダメージが残っていて、とてもデリケートな状態です。元の体に戻すためにダイエットするのはよいですが、「体に支障をきたさない範囲で無理なく」を心がけましょう。
過度な食事制限などはせず、栄養はしっかりとることが大事です。また、体の様子を見ながら、無理なく適度な運動を取り入れていきましょう。